渡邉雅之弁護士が、週刊文春2015年11月5日号の特集『マイナンバー担当者が知らないと恥をかく「5つのミソ」』においてコメントいたしました。
以下のようにコメントいたしました。
「従業員や支払先など多くのマイナンバーを管理する企業には漏洩に伴うリスクもあります。それは『刑事罰』『民事賠償』『行政処分』といった法的なリスクに加え、『社会的信用の低下』という四つが考えられます」(弁護士の渡邉雅之氏)
マイナンバー法では、故意に漏洩した人や企業に、一般の個人情報漏洩に比べて重い刑事罰を科している。
「たとえば名簿業者に情報を流した人は、懲役四年以下か二百万円以下の罰金、または両方。企業側も連帯責任となり、同額の罰金を払わされます」(同前)
企業からの個人情報流出といえば、昨年七月のベネッセHDの顧客である会員情報流出が記憶に新しい。約三千五百万件が流出し、同社は会員一人あたり五百円分の電子マネーギフトをお詫び(もしくはベネッセ子ども基金への寄付)とすることとして大きな批判を受けた。
「もちろんマイナンバーのようなプライバシー性の高い情報はそれだけでは済みません。〇二年に起きたエステサロンのTBCの情報流出事件では、東京高裁は一人当たり慰謝料三万円、弁護士費用五千円を認めました。マイナンバーの漏洩なら一人三〜四万円の慰謝料はありえます。自主的なお詫びでも一人一万円ぐらいが妥当かもしれません。」(同前)
また、制度を監督する第三者機関として昨年発足した「特定個人情報保護委員会」は、強力な権限を持っており、企業に対し是正勧告を出したり、立ち入り検査を行うことが出来る。
「制度開始後しばらくは、委員会の存在感を示す”見せしめ”のために厳しい処分を出すでしょう。加えて馬鹿にならないのが社会的信用の低下です。たとえ故意でなくても、マインナンバーが漏洩すればメディアに批判され、その企業の株価は下落、信用は大きく損なわれるでしょう」(同前)