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改正個人情報保護法ニュース�I:オプトアウトの要件の厳格化

2016/04/30

(執筆者 渡邉雅之)
改正個人情報保護法ニュース�@:改正の概要とスケジュール
改正個人情報保護法ニュース�A:要配慮個人情報の取得制限と本人確認書類の取得に際しての実務上の影響
改正個人情報保護法ニュース�B:EUのデータ保護指令の要請による改正
改正個人情報保護法ニュース�C:匿名加工情報(ビックデータ)に関する改正
改正個人情報保護法ニュース�D:個人情報の定義の拡充
改正個人情報保護法ニュース�E:利用目的の制限の緩和
改正個人情報保護法ニュース�F:要配慮個人情報と機微情報(センシティブ情報)
改正個人情報保護法ニュース�G:第三者提供に係る確認及び記録の作成の義務付け
改正個人情報保護法ニュース�H:不正な利益を図る目的による個人情報データベース提供罪の新設

今回は、オプトアウトの要件の厳格化について解説します。
個人情報取扱事業者が個人データの第三者提供をするためには、あらかじめ本人の同意を得るのが原則です(保護法23条1項本文)。
本人から「事前の同意」を得ることを「オプトイン」(opt-in)とも言います。
これに対して、あらかじめ本人に対して個人データを第三者提供することについて通知または認識し得る状態にしておき、本人がこれに反対をしない限り、同意したものとみなし、第三者提供をすることを認めることを、「オプトアウト」(opt-out)といいます。

現行の個人情報保護法においては、個人情報取扱事業者は、第三者に提供される個人データについて、本人の求めに応じて当該本人が識別される個人データの第三者への提供を停止することとしている場合であって、次に掲げる�@〜�Cの事項について、あらかじめ、本人に通知し、又は本人が容易に知り得る状態に置いているときは、前項の規定にかかわらず、当該個人データを第三者に提供することができることとされています(保護法23条2項)。
 �@第三者への提供を利用目的とすること。
 �A第三者に提供される個人データの項目
 �B第三者への提供の手段又は方法
 �C本人の求めに応じて当該本人が識別される個人データの第三者への提供を停止すること。

しかしながら、現行の規制の下では、本人が認識しないところでオプトアウトがなされている場合があることが問題とされており、改正個人情報保護法においては、オプトアウトの要件の厳格化がなされています。具体的には、(a)オプトアウトの具体的な要件が個人情報保護委員会規則において定められていること、(b)本人に通知・知り得る状態に置く事項として本人の求めを受け付ける方法(�D)が追加されていること、(c)個人情報保護委員会に届け出をしなければならないこと、が追加されています(追加点は下記赤字)。

個人情報取扱事業者は、本人同意を得ない個人データの第三者提供をしようとする場合には、次の事項を、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、あらかじめ本人に通知し、又は本人が容易に知り得る状態に置くとともに、個人情報保護委員会に届け出なければなりません(保護法23条2項)。
 �@第三者への提供を利用目的とすること
 �A第三者に提供される個人データの項目
 �B第三者への提供の方法
 �C本人の求めに応じて当該本人が識別される個人データの第三者への提供を停止すること。
 �D本人の求めを受け付ける方法

個人情報保護委員会は、上記の届出があったときは、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、当該届出に係る事項を公表しなければなりません(改正個人情報保護法23条4項)。もし、本人への通知方法や本人が容易に知りうる状態が不適切な場合には、勧告や措置命令の対象となります(改正個人情報保護法42条1項、2項)。

個人情報取扱事業者は、�A・�B・�Dに掲げる事項を変更する場合は、変更する内容について、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、あらかじめ、本人に通知し、または本人が容易に知り得る状態に置くとともに、個人情報保護委員会に届け出なければなりません(改正個人情報保護法23条3項、赤字部分が改正による追加部分)。

改正後にオプトアウトの方法により個人データを第三者に提供しようとする者は、法律の施行の日前においても、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、「本人の求めを受け付ける方法」に掲げる事項に相当する事項について本人に通知するとともに、同項各号に掲げる事項(上記�@〜�D)に相当する事項について個人情報保護委員会に届け出ることができます。この場合には、当該通知および届出は、施行日以後は、同項の規定による通知および届出とみなされます(改正個人情報保護法附則2条)。

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