(執筆者 渡邉 雅之)
昨年12月21日の『マイナンバー情報:雇用保険に関する取扱いの大幅変更(注意!!)』において、「『雇用継続給付(高年齢雇用継続給付、育児休業給付及び介護休業給付)について、労使協定を締結して事業主が申請書を提出する場合は、個人番号関係事務実施者ではなく、本人の代理人として申請を行うものと整理されました。』とご報告しましたが、1月9日に厚生労働省が公表したパブリックコメント『雇用保険法施行規則の一部を改正する省令(案)に関する御意見の募集について』(締切:平成28年1月23日、公布日・施行日:1月下旬)により、早速変更されることになります。
改正の概要ペーパー『雇用保険法施行規則の一部を改正する省令(案)について』によれば、その理由は以下のとおりです。
雇用継続給付の支給申請は、原則として、雇用継続給付の支給を受けようとする者が行うこととなっているが、手続の効率化等の観点から、規則第101 条の8等の規定に基づき、労働者の過半数で組織する労働組合等との間に書面による協定があるときは、事業主が被保険者に代わって公共職業安定所に支給申請書等の提出をすることができるとされており、実態としては、労働者本人ではなく、当該規定に基づく事業主による申請が多数となっているところである。
平成28 年1月からの個人番号の利用開始に伴い、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律施行令(平成26 年政令第155 号)第12 条第2 項の規定に基づき、事業主による雇用継続給付の申請に当たって、公共職業安定所が事業主から個人番号の提供を受ける場合には、�@代理権の確認、�A代理人としての身元(実在)確認、�B申請者本人の個人番号確認が必要となる。公共職業安定所の窓口でこれら�@〜�Bの確認をする場合、事業主の負担が大きく、情報漏洩のリスクもある。
このため、事業主による雇用継続給付の支給申請について、事業主が代理人ではなく、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25 年法律第27 号)第2条第13 項に規定する個人番号関係事務実施者として効率的に申請に関する事務を実施できるようにするため、雇用継続給付を受けようとする被保険者は、原則として、事業主を経由して公共職業安定所に支給申請書等の提出を行うこととする改正を行う。
また、事業主が雇用保険被保険者資格取得届等の際に個人番号の登録ができなかった場合に、後日登録に使用すること等を目的とする「個人番号登録・変更届出書」の様式を規則に追加する。
本件についてお知らせいただきました社会保険労務士の先生(ありがとうございます!)によれば、『ハローワークへ昨日行きましたが、ひっきりなしに電話がかかってきており、職員の人はまったく同じ質問を受け、まったく同じ回答をしているのでした。質問はおもに「代理権」と「提出者の社員証」あたりに集中しているようでした。あれでは職員の人も仕事にならないでしょう。』とのことです。12月21日の記事にも書きました通り、代理権の確認において社員証が必要となるところ、社員証のない会社においてはどうするのか?ということも問題となっているようです。
この改正により、事業者は労使協定がなくても、個人番号の収集ができることになりそうです。
なお、利用目的に関しては、「雇用保険申請・請求事務等」のような利用目的が明示されているのであれば、特段の手当がいらないと思われます。
上記にも記載したとおり、公布日・施行日は1月下旬の予定です。
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