(執筆者 渡邉 雅之)
2月13日付の「【コーポレートガバナンス・コード】取締役会評価関連の規程・書式、任意の委員会関連の規程」においても説明したとおり、コーポレートガバナンス・コードのうち、上場会社が最も苦慮しているのは取締役会評価のやり方です。
本日(平成28年2月18日)、金融庁において開催された『スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議(第6回)』において、資料として配布された『会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に向けた取締役会のあり方 (案)』においては、取締役会評価について以下の記述があります。
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4. 取締役会の実効性の評価(原則4−11)
取締役会の資質・多様性やその運営を充実させていくための取組みが有 効に行われているかなど、取締役会全体としての実効性の評価を行い、次 の取組みに継続的につなげていくことが重要である。
(1) 本年5月末をもってコード適用開始から一年が経過することから、各 上場会社において、取締役会の構成や運営状況等の実効性について、適 切に評価を行うことが期待される。評価の実施に際しては、企業の置か れた状況に応じ、様々な取組みが考えられるが、取締役会メンバー一人 一人による率直な評価がまずもって重要となると考えられる。
(取組みの例)
・ 各取締役に、各自の取締役会への貢献について自己評価を求めるとと もに、取締役会がその役割・責務を十分に果たしているか、より実効 性を高めるためにどのような課題があるかについても聴取する。
・ 指名委員会や独立社外取締役のみによる会合も活用するなど、独立社外取締役の主体的な関与を確保する。
・ 任意の委員会も含め、取締役会に設置された各委員会の運営状況等も 評価の対象とする。
・ 英国における経験も踏まえ、評価の独立性・客観性をより高める観点 から外部の眼も入れた評価を行う。また、評価機関との利益相反関係 の有無を明らかにするため、その名称の公表を行う。
(2) 取締役会の実効性を適確に評価するためには、会社の持続的な成長と 中長期的な企業価値の向上に向けて、取締役会が果たすべき役割・責務 を明確化することがまずもって求められる。その上で、評価の実施にあ たっては、こうした役割・責務に照らし、取締役会の構成・運営状況等 が実効性あるものとなっているかについて、実質的な評価を行うことが必要である。
(3) 取締役会が、その資質・多様性や運営を充実させていくためのPDC Aサイクルを実現するに際しては、自らの取組みや実効性の評価の結果 の概要について、ステークホルダーに分かりやすく情報開示・説明を行 うことが重要である。 _
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上記のとおり、取締役会評価は、必ずしもコンサルタントなどの外部評価による必要はありません。
コストや実行性の観点からは、自己評価により、「指名委員会や独立社外取締役のみによる会合も活用するなど、独立社外取締役の主体的な関与を確保する。」というのが多くの上場会社にとって現実的な選択でしょう。
その観点で、下記の規程や質問票等は普遍的な内容でお役に立つと思われますのでご活用ください。
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