(執筆者:弁護士 神部美香)
【Q.】
6月末に働き方改革関連法が成立したと聞きましたが、事業主としてどのような点に注意すればよいでしょうか。
【A.】
1.働き方改革関連法の概要
今回の働き方改革関連法(以下「関連法」)は、労働者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革を総合的に推進するために、以下のような措置を講ずることを内容とするものです。
Ⅰ 長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現
<具体的な内容>
時間外労働の上限規制の設定、月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率(50%以上)にかかる中小企業への猶予措置の廃止、年次有給休暇の指定義務、労働者の健康確保に向けた労働時間の状況の把握方法の設定、高度プロフェッショナル制度の創設、勤務間インターバル制度の普及促進、産業医・産業保健機能の強化など
Ⅱ 雇用形態に関わらない公正な待遇の確保(いわゆる同一労働同一賃金)
<具体的な内容>