(執筆者:弁護士 深津雅央)
【Q.】
2020年4月に施行される改正民法では、時効についても改正されると聞きました。どのように変わって、会社にはどのような影響があるのでしょうか。
【A.】
1.民法の改正
昨年5月に法案が成立した改正民法は、2020年4月1日に施行が予定されており、各企業でも改正にあたってどのような対応が必要なのか、情報収集や検討を進めていることと思います。ところで、今回の改正で、定型約款に関する規定が新設されることや保証に関する規定が変更されることは、新聞・雑誌等を通じてご存じの方も多いと思いますが、実は企業の実務に影響するものとして、時効制度の改正も含まれています。
今回は、「債権法改正」と呼ばれる中で見落としがちな「時効制度の改正」のうち、特に重要な点について簡単に解説します。
2.消滅時効の起算点
消滅時効とは、権利を行使しない状態が一定期間続いた場合にその権利が消滅する、という制度です。