(執筆者」渡邉雅之)
改正個人情報保護法ニュース�@:改正の概要とスケジュール
改正個人情報保護法ニュース�A:要配慮個人情報の取得制限と本人確認書類の取得に際しての実務上の影響
改正個人情報保護法ニュース�B:EUのデータ保護指令の要請による改正
改正個人情報保護法ニュース�C:匿名加工情報(ビックデータ)に関する改正
改正個人情報保護法ニュース�D:個人情報の定義の拡充
改正個人情報保護法ニュース�E:利用目的の制限の緩和
「改正個人情報保護法ニュース�A:要配慮個人情報の取得制限と本人確認書類の取得に際しての実務上の影響」において、改正個人情報保護法において新たに設けられる「要配慮個人情報」について説明をいたしました。
今回は、改正個人情報保護法における「要配慮個人情報」と金融庁の「金融分野金融分野における個人情報保護に関するガイドライン」(「金融分野個人情報保護ガイドライン」)における「機微情報」(センシティブ情報)について比較をいたします。
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改正個人情報保護法(「要配慮個人情報」)
金融分野個人情報保護ガイドライン(「機微(センシティブ)情報」)
対象となる情報
本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報
金融分野における個人情報取扱事業者は、政治的見解、信教(宗教、思想及び信条をいう。)、労働組合への加盟、人種及び民族、門地及び本籍地、保健医療及び性生活、並びに犯罪歴に関する情報
規制行為
原則として、あらかじめ本人の同意を得ないで取得禁止。
原則として、取得、利用又は第三者提供禁止。
例外
�@ 法令に基づく場合
�A 人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
�B 公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
�C 国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。
�D 当該要配慮個人情報が、本人、国の機関、地方公共団体、保護法76条1項各号に掲げる者その他個人情報保護委員会規則で定める者により公開されている場合
�E その他前各号に掲げる場合に準ずるものとして政令で定める場合
�@ 法令等に基づく場合
�A 人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合
�B 公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のため特に必要がある場合
�C 国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合
�D 源泉徴収事務等の遂行上必要な範囲において、政治・宗教等の団体若しくは労働組合への所属若しくは加盟に関する従業員等の機微(センシティブ)情報を取得し、利用し、又は第三者提供する場合
�E 相続手続による権利義務の移転等の遂行に必要な限りにおいて、機微(センシティブ)情報を取得、利用又は第三者提供する場合
�F 保険業その他金融分野の事業の適切な業務運営を確保する必要性から、本人の同意に基づき業務遂行上必要な範囲で機微(センシティブ)情報を取得し、利用し、又は第三者提供する場合
�G 機微(センシティブ)情報に該当する生体認証情報を本人の同意に基づき、本人確認に用いる場合
「対象となる情報」については、「要配慮個人情報」については政令で具体的に定められることとされているので、「機微(センシティブ)情報」と比べてどちらが広いかは現時点では分かりません。
「規制行為」としては、「要配慮個人情報」については、「原則として、あらかじめ本人の同意を得ない取得」が禁止されているのに対して、「機微(センシティブ)情報」は、「原則として、取得、利用又は第三者提供」が禁止されているので、「機微(センシティブ)情報」の方が規制が厳しいと考えられます。
「例外」については、「要配慮個人情報」については、政令が定められていないので現時点では確定的なことは言えませんが、「要配慮個人情報」については「法令に基づく場合」が例外の一つとされているのに対して、「機微(センシティブ)情報」は「法令等に基づく場合」が例外の一つとされている点が注目されます。「法令に基づく場合」については、日本の法令のみが対象になると考えられますが、「法令等に基づく場合」については、外国の法令も含まれると考えられます。
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