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2019.01.20
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【犯収法改正】オンラインで完結する新たな本人確認方法と非対面取引の本人確認の厳格化

(執筆者:渡邉雅之

ニュースレター形式にしたものもごらんください。
AML・CFTニュース①:オンラインで完結する新たな本人確認方法と非対面取引の本人確認の厳格化

平成30年(2018年)11月30日に公布された「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の一部を改正する命令」(平成30年内閣府・総務省・法務省・財務省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・国土交通省第3号、以下「改正規則」といいます。)は、現時点のFinTechに対応し、オンラインで完結する本人確認の方法を新設するなど本人確認方法等に関する所要の見直しを行うものです。オンラインで完結する本人確認の方法に関する改正は、公布日である平成30年(2018年)11月30日に施行されています。
また、改正規則では、2020年4月1日施行の改正により、非対面取引一般の本人特定事項の確認方法の厳格化がされることになり、全ての特定事業者に大きな影響を与えることになります。
本ニュースレターでは、改正規則における改正内容について、同改正のパブリックコメント回答[1](以下「PC」という。)も参考にしながら詳細に解説いたします。なお、改正規則の改正前の同規則を「旧規則」、平成30年(2018年)11月30日に施行された改正後の同規則を「改正規則」、2020年4月1日に施行される同規則を「再改正規則」、改正による変更がないものについては単に「規則」といいます。
 
第1 オンラインで完結する本人確認方法の創設
1.改正の背景
銀行等の金融機関は、預金口座の開設、資金の貸付け、送金(為替取引)に関する基本契約をするためには、犯罪収益移転防止法(以下「犯収法」という。)に基づく取引時確認をする必要があります。
取引時確認事項のうち、個人顧客および取引担当者(代表者等)の本人特定事項(氏名、住居、生年月日)は、本人確認書類(運転免許証、旅券、個人番号カード、健康保険証等)による確認が求められます。
金融機関等のインターネットバンキングやFinTech企業が行う資金移動業やソーシャルレンディング等においては、スマートフォンやパソコンによって非対面による口座開設等がなされますが、非対面取引については、本人特定事項の確認として、顧客から本人確認書類の原本又は写しの送付を受けるだけでなく、リスク低減措置として、当該顧客の住居(法人顧客の場合は本店又は主たる事務所及び取引担当者の住居)に宛てて転送不要郵便で取引関係文書を送付することが原則として求められます(旧規則6条1項1号ホ・改正規則6条1項1号チ、旧規則6条1項3号ロ・改正規則6条1項3号ニ、規則12条1項)。
改正規則による改正前は、本人確認書類の写しの送付は、スマートフォンのカメラによる本人確認書類の撮影及びアプリ等の電磁的方法を介した方法により行うことができますが、顧客の住居に宛てて転送不要郵便で取引関係文書の送付を要するので、オンラインで取引が完結しないという問題がありました。
転送不要郵便が顧客に到着する合理的な期間が完了しなければ、本人特定事項の完了は終了しなければならないためにビジネス開始までの時間がかかってしまいます。我が国においては、諸外国のようなオンラインで完結する汎用的な本人確認方法が存在しないため、とりわけ、FinTechビジネスには支障をきたしているという事業者側の意見が多くありました。
この点、オンラインで完結する手段としては、「マイナンバーカードの公的個人認証による確認方法」(旧規則6条1項1号チ・現規則6条1項1号ル、規則12条1項)が認められていますが、マイナンバーカードの普及率が現時点で10%程度であること、また、公的個人認証を利用するためには、顧客がICリーダーを用意しなければならないといったハードルがあり、ほとんど普及していません。[2]
未来投資戦略2017(平成29 年6 月閣議決定)においては、「FinTech に対応した効率的な本人確認の方法について検討を進める」こととされました。これを受けて、金融庁は、2017年6月より、金融機関、FinTech企業、関係省庁とともに、『FinTech時代のオンライン取引研究会』(FinTech協会・新経済連盟・金融庁の共催)を設置し、オンラインで完結する本人確認方法について、マネロン対策の実効性と利便性の両面に配意し、メンバー外の団体等にも意見照会を行いつつ、検討を行ってきました。
金融庁は、海外で認められている以下の4つの方法を警察庁に要望の上、調整し、今回の改正規則に結び付きました(リンク先の図参照)。
①インターネット上のビデオ通話を利用して、顧客から身分証の提示を受ける方法(独で実施)
②顧客から身分証と顧客の顔の画像の送信を受ける方法(米・英で実施)
③顧客から身分証の送付を受け、預貯金取扱金融機関またはクレジットカード会社に顧客情報を照会する方法(仏加で実施)
④顧客から身分証の送付を受け、顧客名義の口座に少額を振り込み、顧客にその振込内容を確認する方法(米英仏星豪で実施)
 
2. オンラインで完結する本人確認方法の創設
(1)個人の本人確認方法
 以下の4つのオンラインで完結する本人確認方法が創設され、平成30年(2018年)11月30日から利用することができます。
①容貌・写真付き本人確認書類の画像情報の送信を受ける方法(改正規則6条1項1号ホ)
②「容貌の画像情報」・「写真付き本人確認書類のICチップの記録情報」の送信を受ける方法(改正規則6条1項1号ヘ)
③写真付き本人確認書類の画像情報」又は「本人確認書類のICチップの記録情報」の送信を受けるとともに、当該顧客等について本人確認済みの銀行又はクレジットカード会社に同一顧客か確認を求める方法(改正規則6条1項1号ト(1))
④写真付き本人確認書類の画像情報」又は「本人確認書類のICチップの記録情報」の送信を受けるとともに、当該顧客等について本人確認済みの銀行に金銭の振込みを行うことにより確認する方法(改正規則6条1項1号ト(2))

 
(2)容貌・写真付き本人確認書類の画像情報の送信を受ける方法(改正規則6条1項1号ホ)
 
当該顧客等又は代表者等から、特定事業者が提供するソフトウェアを使用して、本人確認用画像情報(当該顧客等又はその代表者等に当該ソフトウェアを使用して撮影をさせた当該顧客等の容貌及び写真付き本人確認書類の画像情報であって、当該写真付き本人確認書類に係る画像情報が、当該写真付き本人確認書類に記載されている氏名、住居及び生年月日、当該写真付き本人確認書類に貼り付けられた写真並びに当該写真付き本人確認書類の厚みその他の特徴を確認することができるもの。)の送信を受ける方法
 
ア 特定事業者が提供するソフトウェア
  • 当該ソフトウェアの性能等は、本人特定事項の確認のために必要な要素を満たしていると合理的に認められるものであることが求められます。例えば、他人へのなりすまし等の防止が特定事業者に求められるのは当然であるところ、画像が加工されないことを確実に担保するため、ソフトウェアは画像の加工機能がないものでなければなりません。必要な要素を性能等が満たしていないと認められれば、特定事業者が監督上の措置の対象となり得ます。(PC7)
  • 特定事業者が提供するソフトウェアには、スマートフォン向けのアプリケーションも含まれます。当該ソフトウェアを使用する端末については、特定事業者が提供する専用端末、一般人が所有している携帯端末又はパーソナルコンピュータのいずれも認められます。(PC8)
  • 「特定事業者が提供するソフトウェア」とは、顧客等の本人特定事項の確認を行おうとする特定事業者の提供するソフトウェアをいいます。また、「特定事業者が提供するソフトウェア」には、第三者が開発し特定事業者に提供したソフトウェアや特定事業者と他の特定事業者とで共用されているソフトウェアも含まれます。当該ソフトウェアはあくまでも当該特定事業者がその責任において提供しなければならず、ソフトウェアに問題があった場合には、特定事業者が監督上の措置の対象となります。(PC9)
  • 本人確認用画像情報の撮影及び送信が特定事業者の提供するソフトウェアによって行われているのであれば、ウェブアプリケーション、クラウドアプリケーション等も含まれます。(PC10)
  • 特定事業者の委託先や第三者の開発ベンダーが提供するソフトウェアをWEBページやアプリに組み込んで提供する場合も、本人確認用画像情報の撮影及び送信が行われているのであれば、認められます。(PC11)
  • 特定事業者が提供するソフトウェアを使用して撮影及び送信が行われる必要があるところ、FAXの利用は想定し難いと考えられます。また、現時点で想定されていない技術の利用については、マネー・ローンダリング、テロ資金供与の防止という法の趣旨に従って、許容されるものかどうかを判断することとなります。(PC12)
イ 写真付き本人確認書類
  • 運転免許証、マイナンバーカード、住基カード、在留カード、パスポート等が想定されます。
  • 写真付き本人確認書類については、「同条第一号ハからホまでに掲げるものを除く」と規定しているところ、外国人の本人特定事項の確認においても、写真の付いていない本人確認書類の利用は認められません。(PC15)
ウ 写真付き本人確認書類に貼り付けられた写真
  • 「写真付き本人確認書類に貼り付けられた写真」とは、写真付き本人確認書類(原本) に貼り付けられた写真を意味します。(PC14)
エ 画像の撮影者
  • 本人確認用画像情報は、顧客等又はその代表者等が特定事業者の提供するソフトウェアを使用して撮影したものに限ります。ただし、取引に実質的な影響を与えることのない第三者が、顧客等又はその代表者等の指示の下、単にスマートフォン等の撮影ボタンを押すだけの場合等は、顧客等又はその代表者等自身が撮影をしたものと評価できると考えられます。(PC16)
オ 本人確認用画像情報・容貌の画像情報
  • 特定のファイルの形態を想定しているわけではありません。ただし、本人特定事項の確認のために必要な要素を満たしていると合理的に認められるものであることが求められます。そのため、本人特定事項の確認に必要な情報が十分に判別できないものや、本人確認書類の真正性の判別が困難なものは認められません。例えば、容貌や本人確認書類の撮影内容が十分に判別できないような小さなものは認められません。(PC17)
  • 白黒画像はカラー画像に比べて本人特定事項の確認のために得られる情報量が少なく、本人特定事項の確認に支障が生じることから、認められません。また、解像度についても、本人特定事項の確認に支障が生じる場合は認められません。(PC18)
  • 本人確認用画像情報は、静止画に限らず動画も認められます。動画の場合には、撮影時間及び音声の制限はありません。また、本人確認用画像情報は静止画であるか動画であるかにかかわらず、本人特定事項の確認時に撮影されたものである必要があることから、あらかじめ撮影された録画ファイルは認められません。(PC19)
  • 本人確認用画像情報として動画の送信を受けた場合、改正規則第1 9条第1号第2号により確認記録に添付するものが当該動画の全てである必要はなく、当該動画から切り取った一部の動画や静止画で足ります。本人確認用画像情報としての要件を満たすものであることが必要です。(20)
  • あらかじめ撮影された場合には加工されるおそれが高まるほか、本人特定事項の確認の時点における顧客等の実在性の確認等の観点からも支障があると考えられます。(PC21)
  • 撮影後に手続を一時中断して送信すると、画像を加工されるおそれが高まるほか、本人特定事項の確認の時点における顧客等の実在性の確認等の観点からも支障があると考えられます。特定事業者は、送信を受ける画像が当該特定事業者の提供するソフトウェアを使用して撮影をさせたものであることを担保するため、撮影させた画像を加工可能な状態に置くことなく送信させることが求められます。そのため、撮影後直ちに送信させることが求められます。(PC22)
  • 「当該顧客等の容貌」を撮影するソフトウェアと、「写真付き本人確認書類の画像」を撮影するソフトウェアは同じものを想定しております。なお、撮影と送信はいずれも特定取引を行うに際して同時期に行われるものであるところ、「当該顧客等の容貌」を撮影するソフトウェアと、「写真付き本人確認書類の画像」を撮影するソフトウェアがそれぞれ別個のソフトウェアとして独立して取り扱うことが可能であったとしても、両ソフトウェアの連携により撮影が連動して行われるのであれば、全体として一つのソフトウェアと位置付けられることもあると考えております。(PC23)
  • 特定取引を行うに際して、容貌と本人確認書類に係る本人確認用画像情報が同時期に撮影される必要があるところ、他人を騙してその容貌と本人確認書類の両方を撮影することは容易ではないことから、不正の抑止が図られると考えております。(PC24)
  • 容貌によって、顧客等が確認記録に記録されている顧客等と同一であることが示されるのであれば、規則16条1項2号として利用することは可能です。(PC25)
※規則16条1項2号
「顧客等しか知り得ない事項その他の顧客等が確認記録に記録されている顧客等と同一であることを示す事項の申告を受けること。」
  • 他人や架空の人物へのなりすましによる不正を防止し、的確な本人特による不正を防止し、的確な本人特定事項の確認を行うため、容貌に係る本人確認用画像情報を必要としており、「写真付き本人確認書類の写真と同等の上半身又は首から上の顔の画像」で足りると考えられます。眼鏡、マスク等を着用していることをもって本人確認用画像情報として認められないわけではありませんが、的確な本人特定事項の確認が可能なものと合理的に認められるものである必要があります。(PC26)
カ 厚みその他の特徴
  • 「厚みその他の特徴」は外形、構造、機能等の特徴から本人確認書類の真正性の確認を行うものです。(PC27)
  • 撮影された本人確認書類と「厚み」を確認した当該本人確認書類とが同一のものであることを保証する機能を有し、それが検証できることを担保する措置が講じられているのであれば、必ずしも「厚みその他の特徴」が画像として撮影されていなくとも、許容されると考えられます。(PC27)
  • 特徴として厚みを確認することができる部分を撮影させる場合、本人確認書類を斜めに傾けて、当該本人確認書類の記載の全部又は一部が写るようにして撮影させるなど、当該本人確認書類の厚みであることが分かるようにする必要があります。(PC27)
  • 必ずしも「何ミリ」などの計測をしなければならないわけではありませんが、本人確認書類の真正性の確認のために合理的に必要と認められる程度の確認であることが求められ、特定事業者が責任を持って確認する必要があります。(PC28)
  • (「その他の特徴」とは、)例えば、カード型又は冊子型いずれの本人確認書類についても、それが光を当てた場合にのみ表面に模様等が浮かび上がる本人確認書類(ブラックライトを当てた場合にのみ表面に特殊な文字を浮かび上がるような本人確認書類について、ブラックライトを当てた上で表面を撮影させたような画像)であれば、当該模様等が厚み以外の「その他の特徴」に該当すると考えられます。(PC29)
  • 各本人確認書類ごとに固有の「その他の特徴」を想定しているわけではありませんが、少なくとも厚みを確認することができるのであれば、厚みに加えてそれ以外の「その他の特徴」を撮影しなければならないわけではありません。(PC29)
  • (「その他の特徴」として)運転免許証等については、裏面に変更後の住居が記載されることから、当該記載の有無及び記載がある場合は変更後の住居を確認するため、裏面の撮影も必要となると考えられます。(PC30)
➡運転免許証については、表面、厚み及び裏面の撮影・送信を想定しています。
  • (「その他の特徴」としては)本人確認書類の類型により、例えばマイナンバーカードに個人番号が記載されている裏面や、旅券の空白頁など、取得することが必ずしも適当ではない画像や、必ずしも取得する必要がない画像があると考えられますが、本人確認書類の類型ごとに要求する画像を変更することに問題ありません。(PC31)
➡マイナンバーカードについては、表面及び厚みの撮影・送信を想定しています。
  • 「本人特定事項」と「厚みその他の特徴」を同時に撮影させた結果、例えば、本人確認書類の本人特定事項の記載及び内容が十分に判別できないような場合には、たとえ「厚みその他の特徴」を確認することができるものとして認められたとしても、別途、本人特定事項を確認することができるものを撮影させる必要があります。(PC32)
  • 「厚みその他の特徴」について、クライアント側端末に顔認証機能等を組み入れたアプリケーションを提供し、一連の動作の中で、顧客が条件を満たした瞬間の画像を切り出し特定事業者側に送信を行うことも、特定事業者が提供するソフトウェアを使用して顧客等に撮影及び送信をさせている場合は、問題ないと考えられます。(PC33)
キ 「本人確認書類の真正性」・「容貌の画像と本人確認書類に貼り付けられた写真の画像が同一人物であること」の確認
  • 本人確認書類の真正性の確認は、サンプルチェックは認められません。(PC34)
  • 改正規則6条1項1号ホ、へ及びトについては、本人確認書類が真正なものであることの確認は、目視によるものに限らず、専ら機械(十分な性能を有しているものに限ります。) を利用して行うことも許容されます。ただし、規則6条1項1号ホ及びトについては、現在の技術ではそのような性能を満たさないことから、現在の技術を前提とすれば目視による確認が必要と考えられます。(PC35)
➡改正規則6条1項1号ホについては、顔照合について十分な性能を有している機械を用いたとしても、本人確認書類が真正なものであることの確認のために目視による確認を行うことになります。
  • 改正規則6条1項1号ホ及びヘについては、本人確認時に撮影された顧客の容貌の画像と、本人確認書類に貼り付けられた写真の画像又はI C チップ情報の写真の画像が同一人物のものであることの確認は、目視によるものに限らず、専ら機械( 十分な性能を有しているものに限ります。)を利用して行うことも許容されます。(PC35)
  • 「専ら機械(十分な性能を有しているもの)」による確認を行う場合、顔照合についての機械は、誤受入率0.001%以下であって、目視であれば一目瞭然で識別可能なものを誤認しないものであることが求められると考えられます。この性能について、10万組以上の顔写真の組み合わせ(新たに10万組以上の者を募集してその顔写真を撮影することまで必要はなく、既存の顔写真を利用することで足ります。)により測定される必要があると考えられます。測定は、機械の製造元等の第三者によるものでも構いませんが、いずれにせよ、当該測定結果を特定事業者が責任を持っていることが必要と考えられます。なりすまし防止の観点から、機械の性能が不十分な場合には、本人確認を行う特定事業者が監督上の措置の対象となり得ます。(当局作成資料より)
  • マスク、サングラス等を着用している場合であっても着用していない場合と同様に照合が可能であるか、またはマスク、サングラス等を着用している場合には照合を行わないこととしていることも必要です。(当局作成資料より)
  • 機械による誤拒否によって本来契約締結をすべき顧客との取引が行われないなどの事態が生じないようにするためには、例えば、誤拒否率を低く(例えば1%以下)したり、誤拒否が起こった場合には目視による確認を行う体制を整備したりすることが適当であると考えられます。(当局作成資料より)
  • 顧客の顔写真と写真付き本人確認書類の写真とが同一人物のものであるか否かについて、特定事業者の確認が的確に行われない場合には監督官庁による指導等が行われます。(PC36)
  • 新たな本人確認の方法では、本人確認書類を画像情報として受領し、OCRで読み込むなどの方法により、本人特定事項を機械的に認識することが可能となりますが、別途改めて顧客から本人特定事項を申告させることは法的な要件ではありません。(PC37)
  • 本人確認書類の真正性の確認は、本人確認用画像情報の送信を受けると同時にその内容を確認しなければならないわけではありませんが、特定取引を行うに際して確認されたと合理的に認められる期間内に確認を行う必要があります。なお、銀行口座開設後に本人確認書類の真正性の確認ができなかった場合には、特定事業者の責任となる可能性があると考えられます。(PC38)
  • 特定事業者より委託を受けて、ATM 等を介して特定事業者と顧客等の容貌の画像情報や本人確認書類情報の授受の仲介を実施することや本人確認用画像情報の確認をすることは、従来から、本人特定事項の確認業務の委託については、あくまで、委託した特定事業者の責任において受託者により確実に行われるのであれば可能と考えられており、このことに変更はありません。また、本人確認用画像情報の保存を受託者が行うことも認められますが、委託した特定事業者が、自社の営業所で保存している場合と同様に、必要に応じて直ちに確認記録を検索できる状態を確保しておく必要があります。そして、当該措置が的確に行われない場合には、当該特定事業者が監督上の措置の対象となります。(PC39)
  • 特定事業者においては、個人情報を含む顧客等の情報を取り扱うにあたり、関係法令を遵守する必要があります。(PC40)
  • 金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律(平成1 4年法律第3 2号)の時代の平成1 4年7 月2 3日のパブリックコメントにおいて、金融庁により、自動契約受付機コーナーにおける取引は「対面取引」と扱ってよいとの見解が示されていましたが、改正規則6条1項1号ホは、自動契約受付機コーナーを前提としない確認方法であり、今回の規則改正後も上記見解は維持されます。(PC41)
ク 事前に撮影した写真や画像でないことの確認方法
  • 特定事業者は、本人特定事項の確認時に、容貌や本人確認書類の実物を撮影させてその送信を受ける必要があることから、容貌や本人確認書類の実物を事前に撮影した写真を撮影させてその画像の送信を受けることは認められません。特定事業者は、この点を確認できるようにする必要があります。その具体的な方法は特定事業者が判断することとなりますが、例えば、本人特定事項の確認時にランダムな数字を顧客等に示し、一定時間内に顧客等に当該数字等を記した紙と一緒に容貌や本人確認書類を撮影させて直ちに送信を受けることなどが考えられます。I D セルフィー( 容貌と本人確認書類を同時に撮影する方法)については、容貌と本人確認書類を一緒に撮影させることは認められますが、当該撮影に係る画像が、本人確認書類に記載されている氏名、住居及び生年月日並びに当該本人確認書類の厚みその他の特徴が適切に確認できるなど、規則上の要件を満たす必要があります。1枚の写真により当該要件を満たすのであれば、その撮影の際に上記のランダムなポーズをとらせるなどの対策をとることにより、容貌に係る本人確認用画像情報と本人確認書類に係る本人確認用画像情報の両者について、本人特定事項の確認時に実物が撮影されたものであることが確認できると考えられます。(PC49)
  • 事前に撮影した画像や写真を撮影した画像でないことの確認の結果の保存が義務付けられているわけではありません。(PC50)
  • 例えば、ランダムな数字等を顧客等に示し、当該数字等を記した紙と一緒に撮影させて直ちに送信を受けることとする場合、当該数字等が表示されてから撮影までの間に、なりすましの写真等を準備されるおそれがあるため、一定時間が経過しても撮影がなされないときは、あらためて別のランダムな数字等を示すことが必要と考えられます。(PC51)
 
(3)容貌の画像情報・写真付き本人確認書類のICチップの記録情報の送信を受ける方法(改正規則6条1項1号ヘ)
 
当該顧客等又はその代表者等から、特定事業者が提供するソフトウェアを使用して、本人確認用画像情報(当該顧客等又はその代表者等に当該ソフトウェアを使用して撮影をさせた当該顧客等の容貌の画像情報をいう。)の送信を受けるとともに、当該顧客等又はその代表者等から当該顧客等の写真付き本人確認書類(氏名、住居、生年月日及び写真の情報が記録されている半導体集積回路が組み込まれたものに限る。)に組み込まれた当該半導体集積回路に記録された当該情報の送信を受ける方法
 
ア 特定事業者が提供するソフトウェア
  • 当該ソフトウェアの性能等は、本人特定事項の確認のために必要な要素を満たしていると合理的に認められるものであることが求められます。例えば、他人へのなりすまし等の防止が特定事業者に求められるのは当然であるところ、画像が加工されないことを確実に担保するため、ソフトウェアは画像の加工機能がないものでなければなりません。必要な要素を性能等が満たしていないと認められれば、特定事業者が監督上の措置の対象となり得ます。(PC7)
  • 特定事業者が提供するソフトウェアには、スマートフォン向けのアプリケーションも含まれます。当該ソフトウェアを使用する端末については、特定事業者が提供する専用端末、一般人が所有している携帯端末又はパーソナルコンピュータのいずれも認められます。(PC8)
  • 「特定事業者が提供するソフトウェア」とは、顧客等の本人特定事項の確認を行おうとする特定事業者の提供するソフトウェアをいいます。また、「特定事業者が提供するソフトウェア」には、第三者が開発し特定事業者に提供したソフトウェアや特定事業者と他の特定事業者とで共用されているソフトウェアも含まれます。当該ソフトウェアはあくまでも当該特定事業者がその責任において提供しなければならず、ソフトウェアに問題があった場合には、特定事業者が監督上の措置の対象となります。(PC9)
  • 本人確認用画像情報の撮影及び送信が特定事業者の提供するソフトウェアによって行われているのであれば、ウェブアプリケーション、クラウドアプリケーション等も含まれます。(PC10)
  • 特定事業者の委託先や第三者の開発ベンダーが提供するソフトウェアをWEBページやアプリに組み込んで提供する場合も、本人確認用画像情報の撮影及び送信が行われているのであれば、認められます。(PC11)
  • 特定事業者が提供するソフトウェアを使用して撮影及び送信が行われる必要があるところ、FAXの利用は想定し難いと考えられます。また、現時点で想定されていない技術の利用については、マネー・ローンダリング、テロ資金供与の防止という法の趣旨に従って、許容されるものかどうかを判断することとなります。(PC12)
イ 写真付き本人確認書類のICチップ情報
  • 氏名、住居、生年月日及び写真の情報が記録された半導体集積回路が組み込まれている写真付き本人確認書類が該当します。網羅的な一覧をお示しすることは困難ですが、現時点では、例えば運転免許証、在留カード、マイナンバーカードが想定されます。なお、住居の情報が記録されていないパスポートについては、認められません。(PC42)
  • 公的個人認証を利用しない場合でも、ICチップの券面事項部分が、改正規則6条1項1号ヘ等に規定する「半導体集積回路に記録された当該情報」として本人特定事項の確認に利用できます。ただし、IC チップ情報は真正なものが送信されなければならないことは勿論であり、特定事業者には真正なものであることの確認が求められます。具体的には、秘密鍵で暗号化されている当該ICチップ情報に係る事項の送信を受け、これを公開鍵で復号することによって真正なものであることを確かめることが考えられます。(PC43)
  • 秘密鍵・公開鍵を用いることでIC チップに記録された情報の内容が真正なものであることを目視によらずに確認することも可能と考えられます。(PC44)
  • 改正規則6条1項1号ヘにおいては、半導体集積回路に記録された情報の改ざんは困難であることから、当該半導体集積回路に記載された情報を特定事業者が提供するソフトウェアを使用して読み取りをさせるものに限定しておらず、読み取り端末についての制限もありません。(PC45)
  • 本人特定事項の確認方法としては、半導体集積回路の読み取りの際にパスワードが必要かどうかを問題としておりません。パスワードに関する個別の本人確認書類の仕様に係る御要望等については、関係行政機関にお問い合わせください。(PC46)
  • IC免許証の場合、本人特定事項データと顔写真データは別領域に格納されており、かつ顔写真データと共に本籍地データも格納されていることから、仮に特定事業者が提供するソフトウェアでIC免許証のデータを読み取る場合において、当該特定事業者側にて講ずべき措置➡個人情報保護法上、特定事業者は、個人データを取り扱う際に利用目的を本人に通知又は公表し、その範囲で適切に利用するとともに、当該個人データを利用する必要がなくなった場合は遅滞なく消去する努力義務があるところ、これに従って適切に対応していただく必要があります。(PC47)
ウ 画像の撮影者
  • 本人確認用画像情報は、顧客等又はその代表者等が特定事業者の提供するソフトウェアを使用して撮影したものに限ります。ただし、取引に実質的な影響を与えることのない第三者が、顧客等又はその代表者等の指示の下、単にスマートフォン等の撮影ボタンを押すだけの場合等は、顧客等又はその代表者等自身が撮影をしたものと評価できると考えられます。(PC16)
エ 容貌の画像情報
  • 特定のファイルの形態を想定しているわけではありません。ただし、本人特定事項の確認のために必要な要素を満たしていると合理的に認められるものであることが求められます。そのため、本人特定事項の確認に必要な情報が十分に判別できないものや、本人確認書類の真正性の判別が困難なものは認められません。例えば、容貌や本人確認書類の撮影内容が十分に判別できないような小さなものは認められません。(PC17)
  • 白黒画像はカラー画像に比べて本人特定事項の確認のために得られる情報量が少なく、本人特定事項の確認に支障が生じることから、認められません。また、解像度についても、本人特定事項の確認に支障が生じる場合は認められません。(PC18)
  • 本人確認用画像情報は、静止画に限らず動画も認められます。動画の場合には、撮影時間及び音声の制限はありません。また、本人確認用画像情報は静止画であるか動画であるかにかかわらず、本人特定事項の確認時に撮影されたものである必要があることから、あらかじめ撮影された録画ファイルは認められません。(PC19)
  • 本人確認用画像情報として動画の送信を受けた場合、改正規則1 9条1号2号により確認記録に添付するものが当該動画の全てである必要はなく、当該動画から切り取った一部の動画や静止画で足ります。本人確認用画像情報としての要件を満たすものであることが必要です。(20)
  • あらかじめ撮影された場合には加工されるおそれが高まるほか、本人特定事項の確認の時点における顧客等の実在性の確認等の観点からも支障があると考えられます。(PC21)
  • 撮影後に手続を一時中断して送信すると、画像を加工されるおそれが高まるほか、本人特定事項の確認の時点における顧客等の実在性の確認等の観点からも支障があると考えられます。特定事業者は、送信を受ける画像が当該特定事業者の提供するソフトウェアを使用して撮影をさせたものであることを担保するため、撮影させた画像を加工可能な状態に置くことなく送信させることが求められます。そのため、撮影後直ちに送信させることが求められます。(PC22)
  • 容貌によって、顧客等が確認記録に記録されている顧客等と同一であることが示されるのであれば、規則16条1項2号として利用することは可能です。(PC25)
※規則16条1項2号
「顧客等しか知り得ない事項その他の顧客等が確認記録に記録されている顧客等と同一であることを示す事項の申告を受けること。」
  • 他人や架空の人物へのなりすましによる不正を防止し、的確な本人特による不正を防止し、的確な本人特定事項の確認を行うため、容貌に係る本人確認用画像情報を必要としており、「写真付き本人確認書類の写真と同等の上半身又は首から上の顔の画像」で足りると考えられます。眼鏡、マスク等を着用していることをもって本人確認用画像情報として認められないわけではありませんが、的確な本人特定事項の確認が可能なものと合理的に認められるものである必要があります。(PC26)
オ 「本人確認書類の真正性」・「容貌の画像とICチップ情報の写真の画像が同一人物であること」の確認
  • 本人確認書類の真正性の確認は、サンプルチェックは認められません。(PC34)
  • 改正規則6条1項1号ホ、へ及びトについては、本人確認書類が真正なものであることの確認は、目視によるものに限らず、専ら機械(十分な性能を有しているものに限ります。) を利用して行うことも許容されます。ただし、規則6条1項1号ホ及びトについては、現在の技術ではそのような性能を満たさないことから、現在の技術を前提とすれば目視による確認が必要と考えられます。(PC35)
➡本人確認時に撮影された顧客等の容貌の画像と、ICチップ情報の写真とが同一人物のものであることの確認が当然に求められることは、改正規則6条1項1号ホと同様です。ただし、改正規則6条1項1号ヘについては、ICチップの場合には、秘密鍵・公開鍵を用いることでその情報の内容が真正なものであることを目視によらずに確認することもできるため、さらに顔照合について十分な性能を有している機械を利用することにより、本人確認を目視により行わないこととしても許容されます。(なお、改正規則6条1項1号ホについては、顔照合について十分な性能を有している機械を用いたとしても、本人確認書類が真正なものであることの確認のために目視による確認を行うことになります。)
  • 改正規則6条1項1号ホ及びヘについては、本人確認時に撮影された顧客の容貌の画像と、本人確認書類に貼り付けられた写真の画像又はI C チップ情報の写真の画像が同一人物のものであることの確認は、目視によるものに限らず、専ら機械( 十分な性能を有しているものに限ります。)を利用して行うことも許容されます。(PC35)
  • 「専ら機械(十分な性能を有しているもの)」による確認を行う場合、顔照合についての機械は、誤受入率0.001%以下であって、目視であれば一目瞭然で識別可能なものを誤認しないものであることが求められると考えられます。この性能について、10万組以上の顔写真の組み合わせ(新たに10万組以上の者を募集してその顔写真を撮影することまで必要はなく、既存の顔写真を利用することで足ります。)により測定される必要があると考えられます。測定は、機械の製造元等の第三者によるものでも構いませんが、いずれにせよ、当該測定結果を特定事業者が責任を持っていることが必要と考えられます。なりすまし防止の観点から、機械の性能が不十分な場合には、本人確認を行う特定事業者が監督上の措置の対象となり得ます。(当局作成資料より)
  • マスク、サングラス等を着用している場合であっても着用していない場合と同様に照合が可能であるか、またはマスク、サングラス等を着用している場合には照合を行わないこととしていることも必要です。(当局作成資料より)
  • 機械による誤拒否によって本来契約締結をすべき顧客との取引が行われないなどの事態が生じないようにするためには、例えば、誤拒否率を低く(例えば1%以下)したり、誤拒否が起こった場合には目視による確認を行う体制を整備したりすることが適当であると考えられます。(当局作成資料より)
  • 顧客の顔写真と写真付き本人確認書類の写真とが同一人物のものであるか否かについて、特定事業者の確認が的確に行われない場合には監督官庁による指導等が行われます。(PC36)
カ 事前に撮影した写真や画像でないことの確認方法
  • 特定事業者は、本人特定事項の確認時に、容貌や本人確認書類の実物を撮影させてその送信を受ける必要があることから、容貌や本人確認書類の実物を事前に撮影した写真を撮影させてその画像の送信を受けることは認められません。特定事業者は、この点を確認できるようにする必要があります。その具体的な方法は特定事業者が判断することとなりますが、例えば、本人特定事項の確認時にランダムな数字を顧客等に示し、一定時間内に顧客等に当該数字等を記した紙と一緒に容貌や本人確認書類を撮影させて直ちに送信を受けることなどが考えられます。I D セルフィー( 容貌と本人確認書類を同時に撮影する方法)については、容貌と本人確認書類を一緒に撮影させることは認められますが、当該撮影に係る画像が、本人確認書類に記載されている氏名、住居及び生年月日並びに当該本人確認書類の厚みその他の特徴が適切に確認できるなど、規則上の要件を満たす必要があります。1枚の写真により当該要件を満たすのであれば、その撮影の際に上記のランダムなポーズをとらせるなどの対策をとることにより、容貌に係る本人確認用画像情報と本人確認書類に係る本人確認用画像情報の両者について、本人特定事項の確認時に実物が撮影されたものであることが確認できると考えられます。(PC49)
  • 事前に撮影した画像や写真を撮影した画像でないことの確認の結果の保存が義務付けられているわけではありません。(PC50)
  • 例えば、ランダムな数字等を顧客等に示し、当該数字等を記した紙と一緒に撮影させて直ちに送信を受けることとする場合、当該数字等が表示されてから撮影までの間に、なりすましの写真等を準備されるおそれがあるため、一定時間が経過しても撮影がなされないときは、あらためて別のランダムな数字等を示すことが必要と考えられます。(PC51)
 
(4)「写真付き本人確認書類の画像情報」又は「本人確認書類のICチップの記録情報」の送信を受けるとともに、当該顧客等について本人確認済みの銀行又はクレジットカード会社に同一顧客か確認を求める方法(改正規則6条1項1号ト(1))
 
下記1又は1´、下記2及び下記3の要件を満たす場合
1.当該顧客等又はその代表者等から、特定事業者が提供するソフトウェアを使用して、本人確認用画像情報(当該顧客等又はその代表者等に当該ソフトウェアを使用して撮影をさせた当該顧客等の本人確認書類のうち規則7条1号若しくは4号に定めるもの(同条1号イからハまでに掲げるもののうち一を限り発行又は発給されたものに限る。以下「本人確認書類」)の画像情報であって、当該本人確認書類に記載されている氏名、住居及び生年月日並びに当該本人確認書類の厚みその他の特徴を確認することができるものをいう。)の送信を受ける。
1´.当該顧客等若しくはその代表者等に当該ソフトウェアを使用して読み取りをさせた当該顧客等の本人確認書類(規則7条1号イからハまでに掲げるもののうち一を限り発行又は発給されたものに限り、氏名、住居及び生年月日の情報が記録されている半導体集積回路が組み込まれたものに限る。)に組み込まれた当該半導体集積回路に記録された当該情報の送信を受ける。
2.他の特定事業者が令7条1項1号イに掲げる取引(預貯金の受入れを内容とする契約の締結)又は同項3号に定める取引(クレジットカード契約の締結)を行う際に当該顧客等について氏名、住居及び生年月日の確認を行い、当該確認に係る確認記録を保存し、かつ、当該顧客等又はその代表者等から当該顧客等しか知り得ない事項その他の当該顧客等が当該確認記録に記録されている顧客等と同一であることを示す事項の申告を受けることにより当該顧客等が当該確認記録に記録されている顧客等と同一であることを確認していることを確認すること。
3.取引の相手方が氏名、住居及び生年月日の確認に係る顧客等になりすましている疑いがある取引又は当該確認が行われた際に氏名、住居及び生年月日を偽っていた疑いがある顧客等(その代表者等が氏名、住居及び生年月日を偽っていた疑いがある顧客等を含む。)との間における取引を行う場合でないこと
 
ア 特定事業者が提供するソフトウェア(要件1・1´)
  • 当該ソフトウェアの性能等は、本人特定事項の確認のために必要な要素を満たしていると合理的に認められるものであることが求められます。例えば、他人へのなりすまし等の防止が特定事業者に求められるのは当然であるところ、画像が加工されないことを確実に担保するため、ソフトウェアは画像の加工機能がないものでなければなりません。必要な要素を性能等が満たしていないと認められれば、特定事業者が監督上の措置の対象となり得ます。(PC7)
  • 特定事業者が提供するソフトウェアには、スマートフォン向けのアプリケーションも含まれます。当該ソフトウェアを使用する端末については、特定事業者が提供する専用端末、一般人が所有している携帯端末又はパーソナルコンピュータのいずれも認められます。(PC8)
  • 「特定事業者が提供するソフトウェア」とは、顧客等の本人特定事項の確認を行おうとする特定事業者の提供するソフトウェアをいいます。また、「特定事業者が提供するソフトウェア」には、第三者が開発し特定事業者に提供したソフトウェアや特定事業者と他の特定事業者とで共用されているソフトウェアも含まれます。当該ソフトウェアはあくまでも当該特定事業者がその責任において提供しなければならず、ソフトウェアに問題があった場合には、特定事業者が監督上の措置の対象となります。(PC9)
  • 本人確認用画像情報の撮影及び送信が特定事業者の提供するソフトウェアによって行われているのであれば、ウェブアプリケーション、クラウドアプリケーション等も含まれます。(PC10)
  • 特定事業者の委託先や第三者の開発ベンダーが提供するソフトウェアをWEBページやアプリに組み込んで提供する場合も、本人確認用画像情報の撮影及び送信が行われているのであれば、認められます。(PC11)
  • 特定事業者が提供するソフトウェアを使用して撮影及び送信が行われる必要があるところ、FAXの利用は想定し難いと考えられます。また、現時点で想定されていない技術の利用については、マネー・ローンダリング、テロ資金供与の防止という法の趣旨に従って、許容されるものかどうかを判断することとなります。(PC12)
イ 画像の撮影者(要件1・1´)
  • 本人確認用画像情報は、顧客等又はその代表者等が特定事業者の提供するソフトウェアを使用して撮影したものに限ります。ただし、取引に実質的な影響を与えることのない第三者が、顧客等又はその代表者等の指示の下、単にスマートフォン等の撮影ボタンを押すだけの場合等は、顧客等又はその代表者等自身が撮影をしたものと評価できると考えられます。(PC16)
ウ 本人確認用画像情報(要件1)
  • 本人確認用画像情報については、運転免許証、マイナンバーカード、国民健康保険の被保険者証等が想定されます。
  • 特定のファイルの形態を想定しているわけではありません。ただし、本人特定事項の確認のために必要な要素を満たしていると合理的に認められるものであることが求められます。そのため、本人特定事項の確認に必要な情報が十分に判別できないものや、本人確認書類の真正性の判別が困難なものは認められません。例えば、容貌や本人確認書類の撮影内容が十分に判別できないような小さなものは認められません。(PC17)
  • 白黒画像はカラー画像に比べて本人特定事項の確認のために得られる情報量が少なく、本人特定事項の確認に支障が生じることから、認められません。また、解像度についても、本人特定事項の確認に支障が生じる場合は認められません。(PC18)
  • 本人確認用画像情報は、静止画に限らず動画も認められます。動画の場合には、撮影時間及び音声の制限はありません。また、本人確認用画像情報は静止画であるか動画であるかにかかわらず、本人特定事項の確認時に撮影されたものである必要があることから、あらかじめ撮影された録画ファイルは認められません。(PC19)
  • 本人確認用画像情報として動画の送信を受けた場合、改正規則1 9条1号2号により確認記録に添付するものが当該動画の全てである必要はなく、当該動画から切り取った一部の動画や静止画で足ります。本人確認用画像情報としての要件を満たすものであることが必要です。(PC20)
  • あらかじめ撮影された場合には加工されるおそれが高まるほか、本人特定事項の確認の時点における顧客等の実在性の確認等の観点からも支障があると考えられます。(PC21)
  • 撮影後に手続を一時中断して送信すると、画像を加工されるおそれが高まるほか、本人特定事項の確認の時点における顧客等の実在性の確認等の観点からも支障があると考えられます。特定事業者は、送信を受ける画像が当該特定事業者の提供するソフトウェアを使用して撮影をさせたものであることを担保するため、撮影させた画像を加工可能な状態に置くことなく送信させることが求められます。そのため、撮影後直ちに送信させることが求められます。(PC22)
エ 厚みその他の特徴(要件1)
  • 「厚みその他の特徴」は外形、構造、機能等の特徴から本人確認書類の真正性の確認を行うものです。(PC27)
  • 撮影された本人確認書類と「厚み」を確認した当該本人確認書類とが同一のものであることを保証する機能を有し、それが検証できることを担保する措置が講じられているのであれば、必ずしも「厚みその他の特徴」が画像として撮影されていなくとも、許容されると考えられます。(PC27)
  • 特徴として厚みを確認することができる部分を撮影させる場合、本人確認書類を斜めに傾けて、当該本人確認書類の記載の全部又は一部が写るようにして撮影させるなど、当該本人確認書類の厚みであることが分かるようにする必要があります。(PC27)
  • 必ずしも「何ミリ」などの計測をしなければならないわけではありませんが、本人確認書類の真正性の確認のために合理的に必要と認められる程度の確認であることが求められ、特定事業者が責任を持って確認する必要があります。(PC28)
  • (「その他の特徴」とは、)例えば、カード型又は冊子型いずれの本人確認書類についても、それが光を当てた場合にのみ表面に模様等が浮かび上がる本人確認書類(ブラックライトを当てた場合にのみ表面に特殊な文字を浮かび上がるような本人確認書類について、ブラックライトを当てた上で表面を撮影させたような画像)であれば、当該模様等が厚み以外の「その他の特徴」に該当すると考えられます。(PC29)
  • 各本人確認書類ごとに固有の「その他の特徴」を想定しているわけではありませんが、少なくとも厚みを確認することができるのであれば、厚みに加えてそれ以外の「その他の特徴」を撮影しなければならないわけではありません。(PC29)
  • (「その他の特徴」として)運転免許証等については、裏面に変更後の住居が記載されることから、当該記載の有無及び記載がある場合は変更後の住居を確認するため、裏面の撮影も必要となると考えられます。(PC30)
➡運転免許証については、表面、厚み及び裏面の撮影・送信を想定しています。
  • (「その他の特徴」としては)本人確認書類の類型により、例えばマイナンバーカードに個人番号が記載されている裏面や、旅券の空白頁など、取得することが必ずしも適当ではない画像や、必ずしも取得する必要がない画像があると考えられますが、本人確認書類の類型ごとに要求する画像を変更することに問題ありません(ホ及びト関係)。(PC31)
➡マイナンバーカードについては、表面及び厚みの撮影・送信を想定しています。
  • 「本人特定事項」と「厚みその他の特徴」を同時に撮影させた結果、例えば、本人確認書類の本人特定事項の記載及び内容が十分に判別できないような場合には、たとえ「厚みその他の特徴」を確認することができるものとして認められたとしても、別途、本人特定事項を確認することができるものを撮影させる必要があります。(PC32)
  • 「厚みその他の特徴」について、クライアント側端末に顔認証機能等を組み入れたアプリケーションを提供し、一連の動作の中で、顧客が条件を満たした瞬間の画像を切り出し特定事業者側に送信を行うことも、特定事業者が提供するソフトウェアを使用して顧客等に撮影及び送信をさせている場合は、問題ないと考えられます。(PC33)
オ 本人確認書類の真正性の確認(要件1)
  • 本人確認書類の真正性の確認は、サンプルチェックは認められません。(PC34)
  • 改正規則6条1項1号ホ、へ及びトについては、本人確認書類が真正なものであることの確認は、目視によるものに限らず、専ら機械(十分な性能を有しているものに限ります。) を利用して行うことも許容されます。ただし、規則6条1項1号ホ及びトについては、現在の技術ではそのような性能を満たさないことから、現在の技術を前提とすれば目視による確認が必要と考えられます。(PC35)
➡改正規則6条1項1号トについては、顔照合について十分な性能を有している機械を用いたとしても、本人確認書類が真正なものであることの確認のために目視による確認を行うことになります。
  • 本人確認書類の真正性の確認は、本人確認用画像情報の送信を受けると同時にその内容を確認しなければならないわけではありませんが、特定取引を行うに際して確認されたと合理的に認められる期間内に確認を行う必要があります。なお、銀行口座開設後に本人確認書類の真正性の確認ができなかった場合には、特定事業者の責任となる可能性があると考えられます。(PC38)
カ 事前に撮影した写真や画像でないことの確認方法(要件1)
  • 特定事業者は、本人特定事項の確認時に、容貌や本人確認書類の実物を撮影させてその送信を受ける必要があることから、容貌や本人確認書類の実物を事前に撮影した写真を撮影させてその画像の送信を受けることは認められません。特定事業者は、この点を確認できるようにする必要があります。その具体的な方法は特定事業者が判断することとなりますが、例えば、本人特定事項の確認時にランダムな数字を顧客等に示し、一定時間内に顧客等に当該数字等を記した紙と一緒に容貌や本人確認書類を撮影させて直ちに送信を受けることなどが考えられます。I D セルフィー( 容貌と本人確認書類を同時に撮影する方法)については、容貌と本人確認書類を一緒に撮影させることは認められますが、当該撮影に係る画像が、本人確認書類に記載されている氏名、住居及び生年月日並びに当該本人確認書類の厚みその他の特徴が適切に確認できるなど、規則上の要件を満たす必要があります。1枚の写真により当該要件を満たすのであれば、その撮影の際に上記のランダムなポーズをとらせるなどの対策をとることにより、容貌に係る本人確認用画像情報と本人確認書類に係る本人確認用画像情報の両者について、本人特定事項の確認時に実物が撮影されたものであることが確認できると考えられます。(PC49)
  • 事前に撮影した画像や写真を撮影した画像でないことの確認の結果の保存が義務付けられているわけではありません。(PC50)
  • 例えば、ランダムな数字等を顧客等に示し、当該数字等を記した紙と一緒に撮影させて直ちに送信を受けることとする場合、当該数字等が表示されてから撮影までの間に、なりすましの写真等を準備されるおそれがあるため、一定時間が経過しても撮影がなされないときは、あらためて別のランダムな数字等を示すことが必要と考えられます。(PC51)
キ 本人確認用画像情報として想定される本人確認書類(要件1´)
  • 本人確認用画像情報については、運転免許証、マイナンバーカード、国民健康保険の被保険者証等が想定されます。半導体集積回路が搭載されている本人確認書類については、運転免許証、マイナンバーカード、住基カード、在留カード等が想定されます。これらについては、公的機関により発行され、かつ、被証明者にのみ発行される身分証明書としての性質を有する書類が想定されているところ社員証・学生証・クレジットカード(氏名・住所・生年月日が記録されているもの)等は民間により発行されるものであるため、認められません。なお、「一を限り発行又は発給されたもの」という言葉の意味は、規則6条1項1号イと同じです。(PC52)
  • 改正規則6条1項1号トは、本人確認用画像情報について、氏名・住居・生年月日が記録されたICチップが組み込まれている運転免許証、マイナンバーカードといった顔写真付本人確認書類のほか、氏名・住居・生年月日が記録されたICチップが組み込まれた国民健康保険の被保険者証等の顔写真のない本人確認書類も想定している。改正規則第6条第1項第1号トにおいては、利用できる本人確認書類を限定することなどにより、確認の水準を確保することとしております。(PC54)
ク 確認可能な特定取引の種類(要件2)
  • 改正規則6条1項1号トは、規則13条1項1号(銀行への口座振替による取引時確認の委託)[3]や2号(クレジットカード会社へのクレジットカード決済による取引時確認の委託)[4]とは異なり、確認可能な取引の種類に制限がありません。(PC53)
ケ 他の事業者の本人確認に依拠する根拠(要件2)
  • 改正規則6条1項1号ト(1)が「他の特定事業者」による確認を根拠とする本人確認方法を認めているのは、顧客等との間に継続的な取引関係が構築されていることを前提としたものです。したがって、他の特定事業者に開設されている預貯金口座が解約されているなど、他の特定事業者と顧客等との間の継続的な取引関係が認められない場合に、改正規則6条1項1号ト(1)の方法を利用することは認められません。(PC64)
コ 想定されている方法(要件2)
  • 改正規則6条1項1号ト(1)では、特定事業者と他の特定事業者との間で本人確認方法についての契約の締結を求めておりませんが、特定事業者と他の特定事業者との間で何らかの契約等がなされることが一般的であるものと想定しております。(PC58)
  • 改正規則6条1項1号ト(1)は、銀行やクレジットカード会社との間で連携する情報としてAPIを活用する方法が考えられますが、それ以外の方法も、条文に規定される要件を満たすのであれば問題ありません。(PC59)
サ 他の特定事業者(要件2)
  • 銀行法との関連において、「特定事業者」が「他の特定事業者」に対し、APIを利用して「契約締結済み顧客かどうかの照会」を実施する行為は、「他の特定事業者」が銀行の場合、「特定事業者」が「電子決済等代行業に登録済」であることは必要ありません。また、「他の特定事業者」がクレジットカード会社の場合、「特定事業者」が「電子決済等代行業に登録済」であることは必要ありません。(PC60)
  • 「他の特定事業者」は犯収法2条2項1号から1 5号及び第3 9号に規定される特定事業者です。(PC61)
※通常は、預金取扱金融機関及びクレジットカード会社が想定されます。
  • 「他の特定事業者」は、規則13条に規定する方法において、その行う取引時確認及び継続的な顧客管理に一定の信頼性・正確性が認められていることから、それらに限り改正規則6条1項1号トにおける他の特定事業者による取引の対象としております。(PC62)
  • 証券会社、資金移動業者、保険会社等の特定事業者や携帯電話会社や貸金業者が利用する指定信用情報機関等の非特定事業者は認められません。(PC63)
  • 規則6条1項1号ト(1)では、規則13条1項2号と異なり、二重の依拠を不可とする記載はなく、クレジットカード会社が依拠の方法を用いていたとしても、クレジットカード会社が氏名、住居及び生年月日の確認を行っていれば、改正規則6条1項1号ト(1)の「他の特定事業者」となることができます。(PC65)
  • 日本に本店がある金融機関等の海外支店や海外に本店のある金融機関等の在日支店であれば、「他の特定事業者」に含まれ、当該金融機関等に開設された口座も含まれます。しかし、海外に本店のある金融機関等の海外支店は、「他の特定事業者」に含まれないため、当該金融機関等に開設された口座も含まれません。(PC66)
シ 他の事業者の義務(要件2)
  • 他の特定事業者が、特定事業者の行う改正規則6条1項1号ト(1)に応じることは、何ら義務が課せられるものではありません。(PC66)
ス 規則13条1項各号・令13条1項1号との関係(要件2)
  • 規則13条1項1号・2号では、特定事業者自身が本人確認書類を取得して本人特定事項の確認を行わないことから、他の特定事業者により本人特定事項の確認事務が確実に行われることを担保するために、本方法を採用することについて他の特定事業者とあらかじめ合意することを要件としています。一方で、改正規則6条1項1号ト(1)においては、飽くまで特定事業者自身が、顧客等から送信を受けた本人確認用画像情報等の確認を行い、追加的な措置として他の特定事業者が行った確認結果を参照するものであることから、あらかじめの合意については規定しておりません。(PC67)
  • 今回の改正案施行後も、規則13条1項1号・2号や令13条1項1号[5]は従来どおり引き続き認められます。(PC77)
セ 再度確認を行う場合(要件2)
  • 改正規則6条1項1号ト(1)の方法を用いて顧客の確認を行ったが、後日、特定事業者において、当該顧客について改めて確認の必要が生じた場合、銀行やクレジットカード会社に当改該顧客の情報を確認するのではなく、特定事業者が当該顧客から再徴収等を行って、別途の本人確認書類や情報を確認する方法をとることは問題ありません。なお、既に本人特定事項の確認をしていた場合でも、客顧客等に当該確認に係る事項を偽っていた疑いが生じた場合においては、改めて取引時確認を行う必要があり、顧客等がこれに応じないときは、特定事業者は当該取引に係る義務の履行を拒むことができます。(PC68)
ソ 他の特定事業者が特定事業者から手数料等の対価を得ること(要件2)
  • 他の特定事業者が特定事業者から手数料等の対価を得ることについて、犯罪収益移転防止法上は規制をしておりません。また、銀行等は、現在も、規則13条1項1号に規定する確認方法を採用する特定事業者から、銀行法等の業規制の範囲内において適法に手数料等を徴収している例があります。(PC69)
タ 本人特定事項の確認済みの顧客の確認(要件2)
  • 改正規則第6条第1項第1号ト(1)に定める「令7条1項1号イに掲げる取引又は同項3号に定める取引」には、預貯金口座開設やクレジットカードの契約に際して行った本人特定事項の確認のみならず、犯収法4条3項に基づき、令7条に定める他の特定取引に際して行った本人特定事項の確認を根拠として、預貯金口座開設やクレジットカードの契約時に、本人特定事項の確認済みの顧客等であることの確認をした場合も含まれます。(PC70)
チ 対象となる確認記録(要件2)
  • 他の特定事業者が保存している確認記録を用いるに当たり、確認記録が新規則の施行前に作成されたものであっても有効です。(PC71)
ツ 他の特定事業者による確認方法(要件2)
  • 特定事業者は、改正規則第6条第1項第1号ト(1)に記載の①特定取引に際して本人特定事項を確認していること、②当該確認に係る記録を保存していること、③当該顧客等又はその代表者等から当該顧客等しか知り得ない事項その他の当該顧客等が当該確認記録に記録されている顧客等と同一であることを示す事項の申告を受けることにより当該顧客等が当該確認記録に記録されている顧客等と同一であること、を確認していること、の3点のいずれも特定事業者において合理的と認められる方法により確認する必要がありますが、一般的には、具体的な方法について、当該特定事業者と当該他の特定事業者との間の契約等において決定されるものと考えます。例えば、③ については、当該特定事業者は、当該他の特定事業者が当該顧客等からID ・パスワード等の申告を受けた場合に限って当該特定事業者に当該顧客等の確認記録を提供するシステムを構築している場合、実際に当該顧客等の確認記録の提供がなされたことをもって確認をしたものと評価されることとなります。① から③ について、特定事業者間の連携を電話により行うことも認められます。(PC72)
  • 顧客等から送信を受けた本人確認用画像情報に記載された氏名、住居及び生年月日と他の特定事業者が保存している確認記録の氏名、住居及び生年月日については、婚姻等に伴う姓の変更、転居に伴う住居の変更等のほか、マンション名の登録の有無、ハイフンの表記方法、字体の相違などにより、完全には一致しないことが想定されます。氏名が異なっている場合には基本的には同一の氏名を示しているものとは認められないと考えられます。住居についても同様ですが、マンション名やハイフン等、単なる表記上の違いにより完全に一致しない場合にあっては、同一の住居を示していると認められる場合があると考えられます。(PC73)
  • 顧客A が特定事業者X で預金口座を開設後、転居したので住所変更の手続を行い、特定事業者X は本人特定事項に係る確認記録を更新したとして、特定事業者Y は、特定事業者X の更新の本人特定事項確認に依拠して、本人確認を完了できます。(PC74)
  • 各金融機関における住所変更の手続については、令7条1項1号に掲げる特定取引には該当しないので、顧客A は、官公署において住所変更の手続をした後、委託を受けた特定事業者が住所変更の手続をすれば、規則6条1項1号ト(1)により、委託をした特定事業者においても住所変更をしたということにはなりません。(PC74)
  • 「当該顧客等しか知り得ない事項その他の当該顧客等が当該確認記録に記録されている顧客等と同一であることを示す事項」とは、例えばID・パスワードのほか、静脈等の生体情報等の利用が想定されます。他の特定事業者の名称や口座番号は該当しないと考えられます。また、同一であることの確認ができるのであれば、ID・パスワードは複数の申告は必要ありません。(PC75)
  • ID及びパスワードについて、グループ企業内で共有している場合や顧客等が使い回しているなどの場合についても、そのID及びパスワードが顧客等に対して一般的に顧客等しか知り得ないと考えられる事項として伝達されたものであり、取引に際し、その事項の申告を受けることとしていれば、改正規則6条1項1号ト(1)に規定する方法を使用することができると考えられます。(PC76)
テ 個人情報保護法の第三者提供の制限との関係(要件2)
  • 改正規則第6条第1項第1号ト(1)において、特定事業者は、他の特定事業者が保存している確認記録により特定される個人と、本人確認書類に記載された個人が一致することの確認が求められるため、氏名等の個人データの共有が行われますが、この場合、特定事業者又は他の特定事業者は、顧客等からあらかじめ同意を得ることにより、適法に対応することができると考えられます。(PC78)
※個人情報保護法23条1項1号の「法令に基づく場合」には該当しません。
ト 処理の期間(要件2)
  • 「画像の送信から他の特定事業者に確認するまでの期間」(改正規則6条1項1号ト(1))を含め、全ての手続を合理的な期間内に完了する必要があります。特定事業者がサービスを提供するよりも前に必ず本人特定事項の確認が完了していなければならないわけではありませんが、サービスの提供を行ったものの、その後確認が合理的な期間内にできなかった場合には、取引がマネー・ローンダリング等に悪用されている疑いが生じた場合の対応に支障が生じることが考えられることから、サービスの提供に先立って本人確認をしておく必要性は高いと考えられます。(PC79)
ナ なりすまし等の疑いがある場合(要件3)
  • 特定事業者は、他の特定事業者の確認記録に関する確認、振込先口座の名義人の確認等をする中で、顧客等になりすまし等の疑いがあることを把握することも予想されるところ、そのような場合には、改正規則6条1項1号トによる確認が認められません。他方、他の特定事業者が当該顧客等のなりすまし等の疑いの有無を確認することまでを求めるものではありません。(PC55)
  • 他の特定事業者がなりすまし等の疑いがあることを特定事業者に連絡したからといって、基本的には法違反になるものではありません。また、個人情報保護法との関係については、なりすまし等の疑いがあった場合には、個人情報保護法上の「個人データ」に該当する情報を特定事業者に情報提供することがあることをあらかじめ契約約款に盛り込むなどにより、他の特定事業者は適法に対応することが可能と考えております。(PC56)
  • 「なりすましている疑い」及び「偽っていた疑い」の判断は、特定事業者が業務の過程で把握した情報等を総合的に考慮して行う必要があると考えられます。また、「疑いはあったが解消された」ような場合は、改正規則6条1項1号トによる本人特定事項の確認時になりすまし等の疑いがなくなっているのであれば、この規定による確認は認められます。(PC57)
 
(5)写真付き本人確認書類の画像情報」又は「本人確認書類のICチップの記録情報」の送信を受けるとともに、当該顧客等について本人確認済みの銀行に金銭の振込みを行うことにより確認する方法(改正規則6条1項1号ト(2))
下記1又は1´、下記2及び下記3の要件を満たす方法。
1.当該顧客等又はその代表者等から、特定事業者が提供するソフトウェアを使用して、本人確認用画像情報(当該顧客等又はその代表者等に当該ソフトウェアを使用して撮影をさせた当該顧客等の本人確認書類のうち規則7条1号若しくは4号に定めるもの(同条1号イからハまでに掲げるもののうち一を限り発行又は発給されたものに限る。以下「本人確認書類」)の画像情報であって、当該本人確認書類に記載されている氏名、住居及び生年月日並びに当該本人確認書類の厚みその他の特徴を確認することができるものをいう。)の送信を受ける。
1´.当該顧客等若しくはその代表者等に当該ソフトウェアを使用して読み取りをさせた当該顧客等の本人確認書類(規則7条1号イからハまでに掲げるもののうち一を限り発行又は発給されたものに限り、氏名、住居及び生年月日の情報が記録されている半導体集積回路が組み込まれたものに限る。)に組み込まれた当該半導体集積回路に記録された当該情報の送信を受ける。
2.当該顧客等の「預貯金の受入れを内容とする契約の締結」を行う際に当該顧客等について氏名、住居及び生年月日の確認を行い、かつ、当該確認に係る確認記録を保存しているものに限る。)に金銭の振込みを行うとともに、当該顧客等又はその代表者等から当該振込みを特定するために必要な事項が記載された預貯金通帳の写し又はこれに準ずるものの送付を受けること。(新規則6条1項1号ト(2))
3.取引の相手方が氏名、住居及び生年月日の確認に係る顧客等になりすましている疑いがある取引又は当該確認が行われた際に氏名、住居及び生年月日を偽っていた疑いがある顧客等(その代表者等が氏名、住居及び生年月日を偽っていた疑いがある顧客等を含む。)との間における取引を行う場合でないこと。
ア 特定事業者が提供するソフトウェア(要件1・1´)
  • 当該ソフトウェアの性能等は、本人特定事項の確認のために必要な要素を満たしていると合理的に認められるものであることが求められます。例えば、他人へのなりすまし等の防止が特定事業者に求められるのは当然であるところ、画像が加工されないことを確実に担保するため、ソフトウェアは画像の加工機能がないものでなければなりません。必要な要素を性能等が満たしていないと認められれば、特定事業者が監督上の措置の対象となり得ます。(PC7)
  • 特定事業者が提供するソフトウェアには、スマートフォン向けのアプリケーションも含まれます。当該ソフトウェアを使用する端末については、特定事業者が提供する専用端末、一般人が所有している携帯端末又はパーソナルコンピュータのいずれも認められます。(PC8)
  • 「特定事業者が提供するソフトウェア」とは、顧客等の本人特定事項の確認を行おうとする特定事業者の提供するソフトウェアをいいます。また、「特定事業者が提供するソフトウェア」には、第三者が開発し特定事業者に提供したソフトウェアや特定事業者と他の特定事業者とで共用されているソフトウェアも含まれます。当該ソフトウェアはあくまでも当該特定事業者がその責任において提供しなければならず、ソフトウェアに問題があった場合には、特定事業者が監督上の措置の対象となります。(PC9)
  • 本人確認用画像情報の撮影及び送信が特定事業者の提供するソフトウェアによって行われているのであれば、ウェブアプリケーション、クラウドアプリケーション等も含まれます。(PC10)
  • 特定事業者の委託先や第三者の開発ベンダーが提供するソフトウェアをWEBページやアプリに組み込んで提供する場合も、本人確認用画像情報の撮影及び送信が行われているのであれば、認められます。(PC11)
  • 特定事業者が提供するソフトウェアを使用して撮影及び送信が行われる必要があるところ、FAXの利用は想定し難いと考えられます。また、現時点で想定されていない技術の利用については、マネー・ローンダリング、テロ資金供与の防止という法の趣旨に従って、許容されるものかどうかを判断することとなります。(PC12)
イ 画像の撮影者(要件1・1´)
  • 本人確認用画像情報は、顧客等又はその代表者等が特定事業者の提供するソフトウェアを使用して撮影したものに限ります。ただし、取引に実質的な影響を与えることのない第三者が、顧客等又はその代表者等の指示の下、単にスマートフォン等の撮影ボタンを押すだけの場合等は、顧客等又はその代表者等自身が撮影をしたものと評価できると考えられます。(PC16)
ウ 本人確認用画像情報(要件1)
  • 本人確認用画像情報については、運転免許証、マイナンバーカード、国民健康保険の被保険者証等が想定されます。
  • 特定のファイルの形態を想定しているわけではありません。ただし、本人特定事項の確認のために必要な要素を満たしていると合理的に認められるものであることが求められます。そのため、本人特定事項の確認に必要な情報が十分に判別できないものや、本人確認書類の真正性の判別が困難なものは認められません。例えば、容貌や本人確認書類の撮影内容が十分に判別できないような小さなものは認められません。(PC17)
  • 白黒画像はカラー画像に比べて本人特定事項の確認のために得られる情報量が少なく、本人特定事項の確認に支障が生じることから、認められません。また、解像度についても、本人特定事項の確認に支障が生じる場合は認められません。(PC18)
  • 本人確認用画像情報は、静止画に限らず動画も認められます。動画の場合には、撮影時間及び音声の制限はありません。また、本人確認用画像情報は静止画であるか動画であるかにかかわらず、本人特定事項の確認時に撮影されたものである必要があることから、あらかじめ撮影された録画ファイルは認められません。(PC19)
  • 本人確認用画像情報として動画の送信を受けた場合、改正規則1 9条1号2号により確認記録に添付するものが当該動画の全てである必要はなく、当該動画から切り取った一部の動画や静止画で足ります。本人確認用画像情報としての要件を満たすものであることが必要です。(PC20)
  • あらかじめ撮影された場合には加工されるおそれが高まるほか、本人特定事項の確認の時点における顧客等の実在性の確認等の観点からも支障があると考えられます。(PC21)
  • 撮影後に手続を一時中断して送信すると、画像を加工されるおそれが高まるほか、本人特定事項の確認の時点における顧客等の実在性の確認等の観点からも支障があると考えられます。特定事業者は、送信を受ける画像が当該特定事業者の提供するソフトウェアを使用して撮影をさせたものであることを担保するため、撮影させた画像を加工可能な状態に置くことなく送信させることが求められます。そのため、撮影後直ちに送信させることが求められます。(PC22)
エ 厚みその他の特徴(要件1)
  • 「厚みその他の特徴」は外形、構造、機能等の特徴から本人確認書類の真正性の確認を行うものです。(PC27)
  • 撮影された本人確認書類と「厚み」を確認した当該本人確認書類とが同一のものであることを保証する機能を有し、それが検証できることを担保する措置が講じられているのであれば、必ずしも「厚みその他の特徴」が画像として撮影されていなくとも、許容されると考えられます。(PC27)
  • 特徴として厚みを確認することができる部分を撮影させる場合、本人確認書類を斜めに傾けて、当該本人確認書類の記載の全部又は一部が写るようにして撮影させるなど、当該本人確認書類の厚みであることが分かるようにする必要があります。(PC27)
  • 必ずしも「何ミリ」などの計測をしなければならないわけではありませんが、本人確認書類の真正性の確認のために合理的に必要と認められる程度の確認であることが求められ、特定事業者が責任を持って確認する必要があります。(PC28)
  • (「その他の特徴」とは、)例えば、カード型又は冊子型いずれの本人確認書類についても、それが光を当てた場合にのみ表面に模様等が浮かび上がる本人確認書類(ブラックライトを当てた場合にのみ表面に特殊な文字を浮かび上がるような本人確認書類について、ブラックライトを当てた上で表面を撮影させたような画像)であれば、当該模様等が厚み以外の「その他の特徴」に該当すると考えられます。(PC29)
  • 各本人確認書類ごとに固有の「その他の特徴」を想定しているわけではありませんが、少なくとも厚みを確認することができるのであれば、厚みに加えてそれ以外の「その他の特徴」を撮影しなければならないわけではありません。(PC29)
  • (「その他の特徴」として)運転免許証等については、裏面に変更後の住居が記載されることから、当該記載の有無及び記載がある場合は変更後の住居を確認するため、裏面の撮影も必要となると考えられます。(PC30)
➡運転免許証については、表面、厚み及び裏面の撮影・送信を想定しています。
  • (「その他の特徴」としては)本人確認書類の類型により、例えばマイナンバーカードに個人番号が記載されている裏面や、旅券の空白頁など、取得することが必ずしも適当ではない画像や、必ずしも取得する必要がない画像があると考えられますが、本人確認書類の類型ごとに要求する画像を変更することに問題ありません(ホ及びト関係)。(PC31)
➡マイナンバーカードについては、表面及び厚みの撮影・送信を想定しています。
  • 「本人特定事項」と「厚みその他の特徴」を同時に撮影させた結果、例えば、本人確認書類の本人特定事項の記載及び内容が十分に判別できないような場合には、たとえ「厚みその他の特徴」を確認することができるものとして認められたとしても、別途、本人特定事項を確認することができるものを撮影させる必要があります。(PC32)
  • 「厚みその他の特徴」について、クライアント側端末に顔認証機能等を組み入れたアプリケーションを提供し、一連の動作の中で、顧客が条件を満たした瞬間の画像を切り出し特定事業者側に送信を行うことも、特定事業者が提供するソフトウェアを使用して顧客等に撮影及び送信をさせている場合は、問題ないと考えられます。(PC33)
オ 本人確認書類の真正性の確認(要件1)
  • 本人確認書類の真正性の確認は、サンプルチェックは認められません。(PC34)
  • 改正規則6条1項1号ホ、へ及びトについては、本人確認書類が真正なものであることの確認は、目視によるものに限らず、専ら機械(十分な性能を有しているものに限ります。) を利用して行うことも許容されます。ただし、規則6条1項1号ホ及びトについては、現在の技術ではそのような性能を満たさないことから、現在の技術を前提とすれば目視による確認が必要と考えられます。(PC35)
➡改正規則6条1項1号トについては、顔照合について十分な性能を有している機械を用いたとしても、本人確認書類が真正なものであることの確認のために目視による確認を行うことになります。
  • 本人確認書類の真正性の確認は、本人確認用画像情報の送信を受けると同時にその内容を確認しなければならないわけではありませんが、特定取引を行うに際して確認されたと合理的に認められる期間内に確認を行う必要があります。なお、銀行口座開設後に本人確認書類の真正性の確認ができなかった場合には、特定事業者の責任となる可能性があると考えられます。(PC38)
カ 事前に撮影した写真や画像でないことの確認方法(要件1)
  • 特定事業者は、本人特定事項の確認時に、容貌や本人確認書類の実物を撮影させてその送信を受ける必要があることから、容貌や本人確認書類の実物を事前に撮影した写真を撮影させてその画像の送信を受けることは認められません。特定事業者は、この点を確認できるようにする必要があります。その具体的な方法は特定事業者が判断することとなりますが、例えば、本人特定事項の確認時にランダムな数字を顧客等に示し、一定時間内に顧客等に当該数字等を記した紙と一緒に容貌や本人確認書類を撮影させて直ちに送信を受けることなどが考えられます。I D セルフィー( 容貌と本人確認書類を同時に撮影する方法)については、容貌と本人確認書類を一緒に撮影させることは認められますが、当該撮影に係る画像が、本人確認書類に記載されている氏名、住居及び生年月日並びに当該本人確認書類の厚みその他の特徴が適切に確認できるなど、規則上の要件を満たす必要があります。1枚の写真により当該要件を満たすのであれば、その撮影の際に上記のランダムなポーズをとらせるなどの対策をとることにより、容貌に係る本人確認用画像情報と本人確認書類に係る本人確認用画像情報の両者について、本人特定事項の確認時に実物が撮影されたものであることが確認できると考えられます。(PC49)
  • 事前に撮影した画像や写真を撮影した画像でないことの確認の結果の保存が義務付けられているわけではありません。(PC50)
  • 例えば、ランダムな数字等を顧客等に示し、当該数字等を記した紙と一緒に撮影させて直ちに送信を受けることとする場合、当該数字等が表示されてから撮影までの間に、なりすましの写真等を準備されるおそれがあるため、一定時間が経過しても撮影がなされないときは、あらためて別のランダムな数字等を示すことが必要と考えられます。(PC51)
キ 本人確認用画像情報として想定される本人確認書類(要件1´)
  • 本人確認用画像情報については、運転免許証、マイナンバーカード、国民健康保険の被保険者証等が想定されます。半導体集積回路が搭載されている本人確認書類については、運転免許証、マイナンバーカード、住基カード、在留カード等が想定されます。これらについては、公的機関により発行され、かつ、被証明者にのみ発行される身分証明書としての性質を有する書類が想定されているところ社員証・学生証・クレジットカード(氏名・住所・生年月日が記録されているもの)等は民間により発行されるものであるため、認められません。なお、「一を限り発行又は発給されたもの」という言葉の意味は、規則6条1項1号イと同じです。(PC52)
  • 改正規則6条1項1号トは、本人確認用画像情報について、氏名・住居・生年月日が記録されたICチップが組み込まれている運転免許証、マイナンバーカードといった顔写真付本人確認書類のほか、氏名・住居・生年月日が記録されたICチップが組み込まれた国民健康保険の被保険者証等の顔写真のない本人確認書類も想定している。改正規則第6条第1項第1号トにおいては、利用できる本人確認書類を限定することなどにより、確認の水準を確保することとしております。(PC54)
ク 当該顧客等の預貯金口座(要件2)
  • 「当該顧客等の預金又は貯金口座」(改正規則6条1項1号ト(2))については顧客本人名義である必要があります。(80)
  • 改正規則6条1項1号ト(2)は、特定事業者が、既存の顧客口座に振込をすることを想定しています。(PC81)
  • 改正規則6条1項1号ト(2)の方法は、預貯金口座のみと規定されており、資金移動業者の口座を規定していないが、銀行等は、技術やノウハウの蓄積により、その行う取引時確認及び継続的な顧客管理に一定の信頼性・正確性が認められることから、資金移動業者等の口座と区別しているものであり、現時点で預貯金口座と同様に扱う予定はありません。(PC82)
ケ 本人確認済みの特定取引(要件2)
  • 改正規則6条1項1号ト(2)は、「令第7条第1項第1号イに掲げる取引を行う際に」(預金又は貯金の受入れを内容とする契約の締結)とありますが、他の特定取引を行う際にした本人特定事項の確認は対象外です。(PC83)
コ 金銭の振込み(要件2)
  • 改正規則6条1項1号ト(2)の「金銭の振込み」については特に金額や通貨の種類の新規則上の指定はない。その際、ATMからの振込は許容される。(PC84)
  • 特定事業者による「金銭の振込み」(改正規則6条1項1号ト(2))に係る金額の負担方法について、改正規則上制限なく、特定事業者と顧客の合意により例えば顧客側に当該金銭を負担させることも改正規則上は禁止されていません。(PC85)
  • 「金銭の振込み」は、改正規則6条1項1号ト(2)の確認方法は、特定取引に際して行われる必要があり、例えば、1 0年前のような相当程度過去の振込は認められません。(PC86)
  • 「預貯金通帳の写し等の送付を受ける」(改正規則6条1項1号ト(2))とありますが、送付を受けられなかった場合、入金した金額については返還等を求める必要はありません(事業者判断)。(PC87)
  • 「金銭の振込み」は、本人確認のために振込を行うものであり、その目的を逸脱して行われない限り、違法なものになるとは考えておりません(例えば、本人確認の完了前の金銭の一部貸付とは見られません。)。振込金額は、当該目的の範囲内で特定事業者において判断されることとなります。(PC88)
サ 本人確認済みの預貯金口座(要件2)
  • 改正規則6条1項1号ト(2)の確認は、顧客等の預貯金口座は本人確認済みである必要があるところ、例えば、振込先金融機関が、その全ての顧客について本人確認済みであることを公表している場合には、特定事業者は、当該振込先金融機関に開設された当該顧客等の預貯金口座が本人確認済みのものであると判断することができると考えられます。また、振込先金融機関が全ての顧客等について本人確認済みでなかったとしても、インターネットバンキングの利用顧客については全て本人確認済みであって、その旨を公表している場合には、特定事業者は、当該顧客等が当該インターネットバンキングの利用者であることを確認すること(例えば当該インターネットバンキングの利用画面のスクリーンショットの送付を受けて確認することが考えられます。) により、本人確認済みであると判断することができると考えられます。また、電話等により個別に振込先金融機関に問い合わせる方法も想定されます。(PC89)
  • 改正規則6条1項1号ト(2)の「当該顧客等の預金又は貯金口座(当該預金又は貯金口座に係る令第7条第1項第1号イに掲げる取引を行う際に当該顧客等について氏名、住居及び生年月日の確認を行い、かつ、当該確認に係る確認記録を保存しているものに限る。)」について、当該預金又は貯金口座を開設する特定事業者が、当該顧客等から、当該預金又は貯金口座に関する住所や姓、法人の代表者等の変更等、確認記録に記載すべき事項の変更に係る申入れを受けた際に、本人確認書類の徴収を行わなかった場合を含みます。(PC91)
  • 改正規則第6条第1項第1号ト(2)の方法において、他の特定事業者は自らが行った本人特定事項の確認については当然に責任を持つため、当該確認が杜撰であった場合には、当該特定事業者が監督上の措置の対象となります。(PC90)
シ 当該振込みを特定するために必要な事項が記載された預貯金通帳の写し又はこれに準ずるもの(要件2)
  • 「預貯金通帳の写し又はこれに準ずるもの」(新規則6条1項1号ト(2))について下記①から③まではいずれも認められます。下記④ については、振込を行う特定事業者が作成するものであり、認められません。下記⑤ については、振込みを特定するために必要な事項が記載されないため、認められません。(PC93)
①通帳を写真撮影した画像
② インターネットバンキングの画面スクリーンショットで撮影した画像(ソフトウェアによる自動的なスクリーンショットであるか顧客の手動によるスクリーンショットであるかを問わない)
③ インターネットバンキングの画面を印字した紙
④ 振込依頼書の写し、預金口座振替による振込金受付書の写し
⑤ キャッシュカード( クレジットカード一体型も含む。)の写し
  • 「これに準ずるもの」(預貯金通帳の写しに準ずるもの)として想定しているものとしては、例えばインターネットバンキングの取引状況が分かる画面のスクリーンショットが挙げられます。(PC94)
  • 「預貯金通帳の写し又はこれに準ずるものの送付」は、当該振込を特定するために必要な事項が記載されているものである必要があります。(PC95)
  • 特定事業者は、送付を受けたものが真正な「当該振込を特定するために必要な事項が記載された預貯金通帳の写し又はこれに準ずるもの」であることを確認する必要があります。その方法は特定事業者の合理的な判断に委ねられますが、顧客等がインターネットバンキングの利用者である場合は、当該インターネットバンキングの利用画面のスクリーンショットの送付を受けて確認する方法も含まれます。当該振込を特定するために必要な事項が記載される以前のスクリーンショットは認められません。(PC96)
  • 夜間や祝祭日に送金処理を行った場合には、着金が翌営業日になることが多いが、着金後のスクリーンショットを送付することで足ります。その場合、特定事業者による送金から一定期間経過したものにならざるを得ませんが、それは特に問題ありません(改正規則6条1項1号ト(2)関係)。(PC97)
  • 改正規則6条第1項第1号ト(2)おける「預貯金通帳の写し等の送付を受ける」ついて、当該方法は盗難通帳の場合であっても、特定事業者は、顧客等から送信を受けた本人確認用画像情報により特定される個人と、顧客等の預貯金口座の名義人が一致することを確認する必要があることなどから、確認の水準を確保できるものと考えております。(PC98)
ス 確認事項等(要件2)
  • 改正規則6条1項1号ト(2)において、特定事業者は、顧客等から送信を受けた本人確認用画像情報により特定される個人と、顧客等の預貯金口座の名義人が一致することを確認する必要がありますが、当該口座が開設されている金融機関に保存されている確認記録との一致を確認する必要まではありません。(PC99)
  • 改正規則6条1項1号ト(2)においては、名義の一致の確認のほか、振込を特定する事項が記載された預貯金通帳の写し等の送付を受ける必要があります。(PC100)
  • 改正規則6条1項1号ト(2)では、本人確認済みの預貯金口座であることが求められているが、通常、取引時確認を行えば、法において確認記録を保存することとなっており、特段の事情のない限り、保存の事実についてまで確認することは求められません。(PC101)
  • 改正規則6条1項1号ト(2)の方法は、特定事業者自身が、顧客等から送信を受けた本人確認用画像情報等の確認を行い、追加的な措置として顧客等が他の特定事業者で開設している預貯金口座に少額を振り込み、その事実を特定事業者自身が確認するものであり、本方法を採用した確認に関する法上の責任を負うのは、当該他の特定事業者ではなく、本方法を利用する特定事業者自身となります。(PC102)
セ 本方法により確認に関する責任(要件2)
  • 改正規則6条1項1号ト(2)の方法は、特定事業者自身が、顧客等から送信を受けた本人確認用画像情報等の確認を行い、追加的な措置として顧客等が他の特定事業者で開設している預貯金口座に少額を振り込み、その事実を特定事業者自身が確認するものであり、本方法を採用した確認に関する法上の責任を負うのは、当該他の特定事業者ではなく、本方法を利用する特定事業者自身となります。(PC102)
ソ なりすまし等の疑いがある場合(要件3)
  • 特定事業者は、他の特定事業者の確認記録に関する確認、振込先口座の名義人の確認等をする中で、顧客等になりすまし等の疑いがあることを把握することも予想されるところ、そのような場合には、改正規則6条1項1号トによる確認が認められません。他方、他の特定事業者が当該顧客等のなりすまし等の疑いの有無を確認することまでを求めるものではありません。(PC55)
  • 他の特定事業者がなりすまし等の疑いがあることを特定事業者に連絡したからといって、基本的には法違反になるものではありません。また、個人情報保護法との関係については、なりすまし等の疑いがあった場合には、個人情報保護法上の「個人データ」に該当する情報を特定事業者に情報提供することがあることをあらかじめ契約約款に盛り込むなどにより、他の特定事業者は適法に対応することが可能と考えております。(PC56)
  • 「なりすましている疑い」及び「偽っていた疑い」の判断は、特定事業者が業務の過程で把握した情報等を総合的に考慮して行う必要があると考えられます。また、「疑いはあったが解消された」ような場合は、改正規則6条1項1号トによる本人特定事項の確認時になりすまし等の疑いがなくなっているのであれば、この規定による確認は認められます。(PC57)
 
3.法人の新たな本人確認方法(改正規則6条1項3号ロ・ハ)
 平成30年11月30日施行の改正により、法人の本人特定事項(名称、主たる事務所・本店の所在地)の確認方法として、「一般財団法人民事法務協会・登記情報提供サービス」または「国税庁・法人番号公表サイト」を利用する方法(改正規則6条1項3号ロ・ハ)が新たに認められることになりました。
 
①一般財団法人民事法務協会・登記情報提供サービス(改正規則6条1項3号ロ)
当該法人の代表者等から当該顧客等の名称及び本店又は主たる事務所の所在地の申告を受け、かつ、電気通信回線による登記情報の提供に関する法律3条2項に規定する指定法人から登記情報の送信を受ける方法(当該法人の代表者等(当該顧客等を代表する権限を有する役員として登記されていない法人の代表者等に限る。)と対面しないで当該申告を受けるときは、当該方法に加え、当該顧客等の本店等(本店、主たる事務所、支店又は日本に営業所を設けていない外国会社の日本における代表者の住居をいう。)に宛てて、取引関係文書を書留郵便等により、転送不要郵便物等として送付する方法)
②国税庁・法人番号公表サイトを利用する方法(改正規則6条1項3号ハ)
当該法人の代表者等から当該顧客等の名称及び本店又は主たる事務所の所在地の申告を受けるとともに、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律39条4項の規定により公表されている当該顧客等の名称及び本店又は主たる事務所の所在地(「公表事項」)を確認する方法(当該法人の代表者等と対面しないで当該申告を受けるときは、当該方法に加え、当該顧客等の本店等に宛てて、取引関係文書を書留郵便等により、転送不要郵便物等として送付する方法)
 
(1)新たな本人確認方法(登記情報提供サービス・法人番号公表サイトを利用する方法)
  • これらの確認方法は、特定事業者が自ら一般財団法人民事法務協会の登記情報提供サービス又は国税庁の法人番号公表サイトを利用して顧客等である法人の情報を取得(オンライン上に限定されず、窓口又は郵送を含む。)するのであれば、本人確認書類の送付を受けることを要しない、というものです。(PC103)
  • 改正規則6条1項3号ロは、特定事業者が一般財団法人民事法務協会から登記情報の送信を受ける方法です。(PC111)
  • 平成2 7年9月1 8日公示のパブリックコメントNo.68において、法人の本人特定事項の確認について、「本人確認書類については、少なくとも顧客等が自らその真正性を確認した上で特定事業者に対して提示又は送付することが必要である」との理由から、「ウェブサイトからダウンロード又は印字した情報の閲覧を本人確認方法として認めることは難しい」旨示されている。このパブリックコメントの見解は、外国の政府機関が運営するインターネットサイトの利用に関する御意見に対するものでした。新規則第6条第1項第3号ロ及びハは、一般財団法人民事法務協会による登記情報提供サービス及び国税庁の法人番号公表サイトを利用するものであるところ、未来投資戦略201 7(平成2 9年6月9日閣議決定) において「法人設立に関し、利用者が全手続をオンライン・ワンストップでできるようにする」こととされたことを踏まえ検討を行った結果、今回、本人特定事項の確認方法として新たに認めることとしたものです。(PC104)
(2)登記情報の送信(登記情報提供サービスを利用する方法)
  • 顧客等が登記情報を紙に出力したものは本人確認書類とは認められません。特定事業者が指定法人から登記情報の送信を受けることが必要です。したがって、顧客等が民事法務協会から入手した登記情報を印字し、特定事業者に宛てものは本人確認書類とは認められません。なお、顧客等から登記情報を紙に出力したものの送付を受け、特定事業者が当該内容を確認することは、本人確認方法として認められます。(PC105)
  • 「一般財団法人民事法務協会から登記情報の送信を受ける」場合、特定事業者において登記情報を印字して保存することは許容されます。(PC106)
(3)転送不要郵便等による取引関係文書の送付の要否(登記情報提供サービス・法人番号公表サイトを利用する方法)
  • 「一般財団法人民事法務協会から登記情報の送信を受ける」場合であって、代表者等(取引担当者)が当該法人を代表する権限を有する役員の場合には、当該法人の本店等に宛てた取引関係文書の郵送は不要です。これに対して、代表者等(取引担当者)が法人を代表する権限を有する役員の場合には、当該法人の本店等に宛てた取引関係文書の郵送は不要です。(PC107)
  • 法人番号公表サイトは、法人の役員を確認できないことから、転送不要郵便物の送付が要件として課されている一方で、登記情報提供サービスは、法人の役員も確認できることから、代表者等(取引関係者)が代表権を保有する役員については転送不要郵便を不要としたものです。(PC109)
  • 登記事項提供サービスや国税庁法人番号公表サイトを利用した本人確認を法人の代表者等における対面時の取引について当該法人顧客への転送不要郵便が不要です(※対面取引としての取扱い)。外国における登記情報提供サービス(英国の企業登記局やシンガポールの会計企業規制庁のサイト)の利用については今後検討してまいります。(PC110)
(4)司法書士に委託する場合(登記情報提供サービスを利用する方法)
  • 「指定法人から登記情報の送信を受ける」は、特定事業者自身が指定法人から直接登記情報の送信を受けず、司法書士等が送信を受けた登記情報の提供を受けて、その内容を特定事業者が確認する場合も含まれる。なお、本人確認業務を委託する場合であっても、法上の責任は委託元の特定事業者に所在します。(PC111)
(5)登記情報提供サービス利用料の負担(登記情報提供サービスを利用する方法)
  • 特定事業者が登記情報提供サービス利用料の負担については、犯罪収益移転防止法上は問題としておりません。(PC112)
(6)事業内容の確認(登記情報提供サービスを利用する方法)
  • 一般財団法人民事法務協会から登記情報の送信を受け本人特定事項の確認とする場合、当該情報に記載のある事業内容の確認をもって規則第10条1項2号ハに定める事業内容の確認とみなすことができます。(PC113)
(7)法人の代表者等の本人特定事項の確認(登記情報提供サービスを利用する方法)
  • 法人の代表者等から法人の本人特定事項の申告を受け、一般財団法人民事法務協会から登記情報の送信を受ける方法について、代表者等が法人を代表する権限を有する役員として登記されている場合には、法人に対する本人特定事項の確認は完了( 本人確認書類の提示及び取引関係文書の送付) したと考えられます。また、この場合であっても、代表者等に対する本人特定事項の確認は上記とは別に必要となります。(PC114)
  • 代表者等が代表権を有する者である場合には、代表権の確認は登記情報提供サービスのホームページ上の、『提供される登記情報』の『商業・法人登記情報』で確認すればよいです。(PC108)
 
4.確認記録
(1)確認記録の作成方法について(改正規則19条1項2号関係)
〇改正規則19条1項2号
次のイからルまでに掲げる場合に応じ、それぞれ当該イからルまでに定めるもの(以下「添付資料」という。)を文書、電磁的記録又はマイクロフィルム(ヘに掲げる場合にあっては、電磁的記録限る。)を用いて確認記録に添付する方法などを限る。)を用いて確認記録に添付する方法
ロ 6条1項1号ホ(12条1項において準用する場合を含む。)に掲げる方法により本人特定事項の確認を行ったとき
➡当該本人確認用画像情報又はその写し
ハ 6条1項1号ヘ(12条第一項において準用する場合を含む。)に掲げる方法により本人特定事項の確認を行ったとき
➡当該本人確認用画像情報並びに当該半導体集積回路に記録された氏名、住居、生年月日及び写真の情報又はその写し
ニ 6条1項1号ト(12条1項において準用する場合を含む。)に掲げる方法により本人特定事項の確認を行ったとき
➡当該本人確認用画像情報又は当該半導体集積回路に記録された氏名、住居及び生年月日の情報又はその写し
ト 6条1項3号ロに掲げる方法により本人特定事項の確認を行ったとき
➡当該登記情報又はその写し
チ 6条1項3号ハに掲げる方法により本人特定事項の確認を行ったとき
➡当該公表事項又はその写し
 
ア 添付資料の要否
  • 旧規則6条等においては、添付資料を「19条1項2号に掲げる方法により確認記録に添付する」旨規定していましたが、改正によりこれらは全て削除しています。しかしながら、改正規則19条1項2号の規定については、引き続き添付資料の確認記録への添付を求めている。すなわち、旧規則6条等の「19条1項2号に掲げる方法により確認記録に添付する」旨を削除したからといって、添付資料が不要になるわけではなく、この点は現行規則から変更はありません。(PC115)
イ 保存をする添付資料
  • それぞれの方法について以下の添付資料が必要となります。
①改正規則6条1項1号ホの方法(12条1項において準用する場合を含む。)
 ➡当該本人確認用画像情報又はその写し
②改正規則6条1項1号ヘの方法(12条1項において準用する場合を含む。)
➡「当該本人確認用画像情報」並びに「当該半導体集積回路に記録された氏名、住居、生年月日及び写真の情報」又はその写し
  ③改正規則6条1項1号トの方法(12条1項において準用する場合を含む。)
➡「当該本人確認用画像情報」又は「当該半導体集積回路に記録された氏名、住居及び生年月日の情報」又はその写し
④改正規則6条1項3号ロの方法
 ➡当該登記情報又はその写し
  ⑤改正規則6条1項3号ハの方法
   ➡当該公表事項又はその写し
  • 改正規則1 9条1項2号柱書は、同号ヘに掲げる場合を除き、送付を受けた本人確認書類の写し、本人確認書類の画像ファイル、本人確認用画像情報等を、送付された状態のまま添付しなくても、形態の異なる電子ファイルに変換したり、紙に印字したものをスキャナで読み込んでイメージデータ化したりしたものを添付することが認められます。(PC116)
  • 改正規則19条1項2号により確認記録に添付することとなる本人確認用画像情報は、「厚みその他の特徴」が確認できるものでなければなりません。(PC119)
  • 改正規則6条1項1号ホによるが画像が動画の利用の場合、改正規則19条1項2号により確認記録に添付するものが動画である必要はなく、動画から切り取った改正規則6条1項1号ホが求める静止画で足ります。(当局作成資料より)
ウ 保存期間
  • 法6条2項では、取引時確認の確認記録は当該取引が終了した日から7年間保存しなければならないこととされていますが、改正規則1 9条1項2号柱書では、本人確認用画像情報についても、確認記録に添付し、取引終了から7年間保存しなければならないこととされています。(PC117)
エ 委託先における保存
  • 改正規則6条1項1号ホに規定される方法で本人確認を実施した場合、特定事業者において「当該本人確認用画像情報」の保管が必要となりますが、この保管は自社内のサーバへの保管ではなく、委託先のサーバに保存することも可能ですが、その場合、特定事業者が、自らの責任の下、自らの事務所で保存している場合と同様に、直ちにその情報が検索できる状態になっている必要があります。(PC118)
(2)確認記録の記録事項(改正規則20条関係)
 
〇規則20条1項における新たな記録事項
六 6条1項1号ホ(12条1項において準用する場合を含む。)に掲げる方法により顧客等又は代表者等の本人特定事項の確認を行ったときは、特定事業者が本人確認用画像情報の送信を受けた日付
七 6条1項1号ヘ(12条1項において準用する場合を含む。)に掲げる方法により顧客等又は代表者等の本人特定事項の確認を行ったときは、特定事業者が本人確認用画像情報の送信を受けた日付並びに半導体集積回路に記録された氏名、住居、生年月日及び写真の情報の送信を受けた日付
八 6条1項1号ト(12条1項において準用する場合を含む。)に掲げる方法により顧客等又は代表者等の本人特定事項の確認を行ったときは、特定事業者が本人確認用画像情報の送信を受けた日付又は半導体集積回路に記録された氏名、住居及び生年月日の情報の送信を受けた日付並びに同号ト⑴又は⑵に掲げる行為を行った日付
九 6条1項3号ロに規定する方法により顧客等の本人特定事項の確認を行ったときは、特定事業者が登記情報の送信を受けた日付
十 6条1項3号ハに規定する方法により顧客等の本人特定事項の確認を行ったときは、特定事業者が公表事項を確認した日付
  • 新たな本人特定事項の確認方法が認められたことにより、以下の新たな記録事項が値以下されました。
①改正規則6条1項1号ホの方法(12条1項において準用する場合を含む。)
 ➡特定事業者が本人確認用画像情報の送信を受けた日付
②改正規則6条1項1号ヘの方法(12条1項において準用する場合を含む。)
➡特定事業者が本人確認用画像情報の送信を受けた日付並びに半導体集積回路に記録された氏名、住居、生年月日及び写真の情報の送信を受けた日付
  ③改正規則6条1項1号トの方法(12条1項において準用する場合を含む。)
➡「特定事業者が本人確認用画像情報の送信を受けた日付」又は「半導体集積回路に記録された氏名、住居及び生年月日の情報の送信を受けた日付」並びに「同号ト⑴又は⑵に掲げる行為を行った日付」
④改正規則6条1項3号ロの方法
 ➡特定事業者が登記情報の送信を受けた日付
  ⑤改正規則6条1項3号ハの方法
   ➡特定事業者が公表事項を確認した日付
  • 改正規則6条1項1号ト(1)又は(2) について、特定事業者間で書面により顧客等の本人特定事項の確認をした場合、改正規則20条1項8号において確認記録に記載を求める「確認を行った日付」は「確認をした特定事業者が回答を受領した日付」を指します。(PC122)
  • 本人特定事項の確認を行う方法が複数許容される場合、改正規則20条1項15号により、本人特定事項の確認を行った方法は確認記録に記載する必要があります。改正規則6条1項1号トによる確認をした場合には、同号(1)又は(2)のいずれの行為によって確認をしたかについて、他の特定事業者の名称も含めて記録しておく必要があります。(PC123)
 
5.外為法上の本人確認方法の改正
 平成30年11月30日に公布された「外国為替に関する省令の一部を改正する省令」(平成30年総務・財務省令第9号)においても、外国為替及び外国貿易法上の海外送金等に関する本人確認方法について、上記2から4までと同じ改正がなされています。
 
第2.現行の個人の非対面取引の本人確認方法の厳格化
1.厳格化の背景
昨今、非対面取引において、二次的な確認手段である転送不要郵便の送付に関しても、空き家において他人になりすまして預金口座等を開設するケースが出てきています。この主な原因は、非対面取引においては、本人確認書類の原本又は写しの送付が求められますが、その種類に限定がなく、また、顔写真付でない本人確認書類(健康保険証、印鑑登録証明書等)の写しが認められている点にあります。すなわち、本人確認書類の写しの氏名部分の変造や住所部分が空き家の住所に変造され、架空名義の口座が作成されている可能性があります。これにより、当該開設された預金口座が振り込め詐欺等の特殊詐欺に悪用される可能性があります。
そこで、以下のとおり、2020年4月1日より、現行の個人の非対面の本人特定事項の確認方法が厳格化されることになります。
2020年4月1日施行とされたのは、現在の本人確認方法に関して、不正を防止する観点からより実効性のあるものとするため、十分な準備期間を設けた上で見直しを行うこととしたものです。(PC129)
 
2.転送不要郵便を送付する方法の厳格化
(1)再改正規則で認められる方法
 現行法では、顧客から本人確認書類(種類限定なし/原本のほか写し可)の送付を受けるとともに、顧客に転送不要郵便を送付する方法によっています(規則6条1項1チ)。
 改正法では、顧客から、(i)本人確認書類の原本(複数枚発行されるものの原本、例えば、住民票の写し、印鑑登録証明書等)の送付、または、(ii)本人確認書類のICチップ情報の送信、または(iii)特定事業者が提供するソフトウェアを使用して撮影させた顔写真付の本人確認書類(1枚に限り発行されるもの、例えば、運転免許証)の画像の送信、を受けるとともに、顧客に転送不要郵便を送付する方法によることになります(再改正規則6条1項1号チ・「本人確認書類の原本・本人確認書類のICチップ情報・本人確認用画像情報の送信」(下記(2)参照))。
 また、顧客から、(a)2以上の本人確認書類の写しの送付、(b)本人確認書類の写しに加えて、現在の住居の記載がある補完書類(同居の家族宛の公共料金の領収書は可)の原本または写しの送付、を受けるとともに、顧客に転送不要郵便を送付する方法も認められることになります(再改正規則6条1項1号リ・「2以上の本人確認書類の写し・本人確認書類の写し及び補完書類の原本・写しの送付」(下記(3)参照))。
 なお、給与支払口座の開設やマイナンバーの取得を受けている有価証券取引については、リスクが低いものとして、現行法どおり、1つの本人確認書類の写しの送付を受けるとともに、顧客に転送不要郵便を送付する方法も認められる(再改正規則6条1項1号ヌ・「給与支払口座の開設やマイナンバーの取得を受けている有価証券取引の特例」(下記(4)参照))。
再改正規則6条1項1号チ及びリの改正(下記(2)及び(3))は、非対面による本人特定事項の確認の方法が厳格化するものであるので、特定事業者の自主的な取組として施行日以前より開始することは問題ありません。また、厳格化されるまでの間、現在の方法と、今回新たに認められたオンラインによる本人確認を同時並行で実施することも可能です。(PC151)
 
(2)本人確認書類の原本・本人確認書類のICチップ情報・本人確認用画像情報の送信(再改正規則6条1項1号チ)
 
チ 当該顧客等又はその代表者等から当該顧客等の本人確認書類のうち次条第一号若しくは第四号に定めるもの(以下チ並びにリ及びヌにおいて単に「本人確認書類」という。)の送付を受け、又は当該顧客等の本人確認書類(氏名、住居及び生年月日の情報が記録されている半導体集積回路が組み込まれたものに限る。)に組み込まれた半導体集積回路に記録された当該情報若しくは本人確認用画像情報(当該顧客等又はその代表者等に特定事業者が提供するソフトウェアを使用して撮影をさせた当該顧客等の本人確認書類(次条第一号イからハまでに掲げるもののうち一を限り発行又は発給されたものに限る。)の画像情報であって、当該本人確認書類に記載されている氏名、住居及び生年月日並びに当該本人確認書類の厚みその他の特徴を確認することができるものをいう。)の送信(当該本人確認用画像情報にあっては、当該ソフトウェアを使用した送信に限る。)を受けるとともに、当該本人確認書類に記載され、又は当該情報に記録されている当該顧客等の住居に宛てて、取引関係文書を書留郵便等により、転送不要郵便物等として送付する方法
 
ア 改正の内容
  • 再改正規則6条1項1号チの場合、送付又は送信を受けるのは、①本人確認書類の原本、②本人確認書類に組み込まれたIC チップ上の情報又は③本人確認用画像情報のいずれかとなります。(PC127)
  • 本人確認書類の原本として認められるのは、住民票の写しのように複数枚発行又は発給される本人確認書類の原本の利用が一般的であると想定しております。(PC128)
 
イ 確認記録の添付書類(再改正規則19条1項2号ホ)
 
〇再改正規則19条1項2号ホ
ホ 6条1項1号チ(12条1項において準用する場合を含む。)に掲げる方法により本人特定事項の確認を行ったときを含む。)又は3号ニに掲げる方法により本人特定事項の確認を行ったとき
当該本人確認書類又はその写し、当該半導体集積回路に記録された氏名、住居及び生年月日の情報又は当該本人確認用画像情報若しくはその写し
  • 再改正規則6条1項1号チについて、原本1通の送付を受けて本人特定事項の確認をしても、当該原本は別途利用する必要があるので、再改正規則1 9条1項2号により確認記録に添付するものはコピーとすることができます。(152)
 
(3)2以上の本人確認書類の写し・本人確認書類の写し及び補完書類の原本・写しの送付(再改正規則6条1項1号リ)
 
リ 当該顧客等又はその代表者等から当該顧客等の現在の住居の記載がある本人確認書類のいずれか二の書類の写しの送付を受け、又は当該顧客等の本人確認書類の写し及び当該顧客等の現在の住居の記載がある補完書類(次項第三号に掲げる書類[6]にあっては、当該顧客等と同居する者のものを含み、当該本人確認書類に当該顧客等の現在の住居の記載がないときは、当該補完書類及び他の補完書類(当該顧客等のものに限る。)とする。)若しくはその写しの送付を受けるとともに、当該本人確認書類の写し又は当該補完書類若しくはその写しに記載されている当該顧客等の住居(当該本人確認書類の写しに当該顧客等の現在の住居の記載がない場合にあっては、当該補完書類又はその写しに記載されている当該顧客等の住居)に宛てて、取引関係文書を書留郵便等により、転送不要郵便物等として送付する方法
 
ア 認められる方法
  • 特定事業者として受領するのは、①現住所記載の本人確認書類(写)は2点の徴収、②現住所記載の本人確認書類(写) 1点と現住所記載の補完書類1点(同居者名義含む公共料金領収書等)の徴収、③住所相違の本人確認書類(写)1点と現住所記載の補完書類2点(いずれも現住所記載のもので、本人名義のもの1点と同居者名義の補完書類を含むもの1点)の徴収です。(PC130)
  • 紙媒体の写しのほか、特定事業者が提供するソフトウェアを使用しないで撮影・送信された本人確認書類の画像情報、PDFデータ及びFAXも、引き続き「本人確認書類の写し」として位置付けられます。これを使用した確認方法である旧規則6条1項1号ホ(改正規則6条1項1号チ)については見直しが行われ、2020年4月1日より再改正規則6条1項1号チ、リ、ヌ等の方法によることとなります。(PC135)
イ 2つの本人確認書類の写しの送付を受ける方法
  • 再改正規則6条1項1号リでは、2種類の本人確認書類の写しを用いて本人確認を行う場合、そのいずれも現在の住居の記載のあることが必要となります。(PC132)
  • 在留カードとパスポートのどちらにも顧客等の現在の住居の記載があるならば、それら2点の本人確認書類を利用することで確認ができます。どちらか一方にしか顧客等の現在の住居の記載がない場合には、当該記載がある本人確認書類と当該記載がある補完書類の合計2点を利用することで確認ができます。(PC138)
  • 顧客の端末にあらかじめ保存してあった運転免許証等1 枚に限り発行される本人確認書類の画像を受信した場合には、運転免許証の画像受信に加え、現在の居住地を示す補完書類( 原本・写し) 又は他の本人確認資料( 写し)の送付(「補完書類又は他の本人確認書類の画像の送信」を含む。) を受け、顧客への転送不要郵便の送付が必要です。(PC134)
➡保存されている運転免許証の画像の送信を受ける場合には、本人確認用画像情報の送信としては認められません。
ウ 本人確認書類の写し+補完書類の原本・写しの送付を受ける方法
  • 「他の補完書類」は、「当該顧客等の現在の住居の記載がある補完書類」の括弧書内のものであることから、顧客等の現在の住居の記載があるものに限られます。(PC131)
  • 補完書類については、従前より居住実態が確実に裏付けられる領収証等を認めており、携帯電話領収証、公共料金の請求書及び口座振替のお知らせを認めることは予定しておりません。クレジットカード払いによる領収証に代えて発行されるものであって、公共料金の支払い事実が確認できることにより居住実態が確実に裏付けられる書類については、事実上の領収証として、補完書類として取り扱っても差し支えありません。(PC136)
  • 「同居する者」は親族に限られません。公共料金の領収証書が「同居する者のもの」であることを確認する方法としては、例えば、領収証書の名宛人の姓と顧客等の姓の一致により確認することが考えられます。姓が一致しない場合等には、顧客等との関係を確認するほか、例えば、領収証書の名宛人の本人確認書類を利用したり、顧客等に対して当該領収証書の内容(例:電気の使用状況)について詳細な説明を求めることなどが考えられます。また、領収証書がカナ文字で記載されていることにより姓の一致の確認に影響がある場合には、より慎重な確認をすることが適当と考えられます。(PC137)
エ 厳格な取引時確認を行う場合に必要な本人確認書類との違い
  • 再改正規則6条1項1号リでは、①現在の住居の記載がある本人確認書類の写し2点、②現在の住居の記載がある本人確認書類の写し1点及び現在の住居の記載がある補完書類(公共料金の領収書等については同居者名義のもの含む)又はその写し1点、③現在の住居の記載の無い本人確認書類の写し1点及び現在の住居の記載がある補完書類又はその写し2点(うち1点は当該顧客のものに限る) のいずれかが必要となります。法4条2項の「厳格な顧客管理を行う必要性が特に高いと認められる取引」にあっては、更に関連取引時確認において用いた本人確認書類及び補完書類以外の本人確認書類若しくは補完書類又はその写しが必要となります。(PC133)
 
(4)給与支払口座の開設やマイナンバーの取得を受けている有価証券取引の特例(再改正規則6条1項1号ヌ)
 
ヌ 次の(1)若しくは(2)に掲げる取引又は当該顧客等との間で(2)に掲げる取引と同時に若しくは連続して行われる令7条1項ム[7]若しくはヰ[8]に掲げる取引を行う際に当該顧客等又はその代表者等から当該顧客等の本人確認書類の写しの送付を受けるとともに、当該本人確認書類の写しに記載されている当該顧客等の住居に宛てて、取引関係文書を書留郵便等により、転送不要郵便物等として送付する方法
(1)令7条1項1号イ[9]に掲げる取引【預貯金の受入れを内容とする契約の締結】のうち、法人(特定事業者との間で行われた取引の態様その他の事情を勘案してその行う取引が犯罪による収益の移転の危険性の程度が低いと認められる法人に限る。)の被用者との間で行うもの(当該法人の本店等(本店、主たる事務所、支店(会社法933条3項の規定により支店とみなされるものを含む。)又は日本に営業所を設けていない外国会社の日本における代表者の住居をいう。)又は営業所に電話をかけることその他これに類する方法により給与その他の当該法人が当該被用者に支払う金銭の振込みを受ける預金又は貯金口座に係るものであることが確認できるものに限る。)
(2)令7条1項1号リ[10]に掲げる取引【有価証券等を取得させる行為を行うことを内容とする契約の締結】(個人番号の提供を受けている場合に限る。)
 
ア 認められる方法
 「給与支払口座の開設」や「マイナンバーの取得を受けている有価証券取引」については、現行規則と同様に、顧客等から本人確認書類の送付を受けるとともに、取引関係文書を書留郵便等により、転送不要郵便等として送付する方法が認められます(再改正規則6条1項1号ヌ)。
イ 給与支払口座の開設(再改正規則6条1項1号ヌ(1)
  • 再改正規則6条1項1号ヌ(1)に基づき既に本人特定事項の確認をしていたとしても、当該確認に係る事項を偽っていた疑いがある顧客等との間で行う取引等については、改めて取引時確認を行う必要があり、顧客等がこれに応じないときは、特定事業者は当該取引に係る義務の履行を拒むことができます。(PC141)
  • 「その行う取引が犯罪による収益の移転の危険性の程度が低いと認められる法人」については、相手方の法人との間で行われた取引の態様のほか、当該法人に関して把握した各種情報等を踏まえて、各特定事業者における合理的な判断により認められることとなるものです。(PC142)
  • 再改正規則6条1項1号ヌ(1)に規定する「給与その他の当該法人が当該被用者に支払う金銭」とは、給与のほかに、例えば俸給や旅費等の経費が該当します。また、「振込みを受ける預金又は貯金口座」については、給与等の振込みを受けることを目的として開設されたもので足ります。(PC143)
  • 証券会社としての特定取引と、銀行代理業としての特定取引は、異なる特定事業者としての取引である以上、銀行代理業としての特定取引については、再改正規則6条1 項1号ヌの方法による本人特定事項の確認は認められません。(PC144)
ウ マイナンバーの取得を受けている有価証券取引(再改正規則6条1項1号ヌ(2)
  • 令7条1項1号リに掲げる取引の場合、特定事業者が提供を受けているマイナンバーについて関係機関への照会等により正確性が検証されることが十分に期待できることを踏まえ、再改正規則6条1項1号ヌ(2)に規定しております。(PC147)
  • 本来、個人番号が必要となる取引は、有価証券の売買等の令7条1項1号リに掲げる取引です。しかし、番号法の解釈により、有価証券の売買等を行う前の口座開設時点で、顧客に対して個人番号の提供を求めることが認められています(『特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)』及び『( 別冊) 金融業務における特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン』に関するQ&A」(個人情報保護委員会)のQ&A17-2)。そこで、かかる解釈に沿って、令7条1項1号リ、ム、ヰを内容とする証券総合口座開設時に個人番号を受け入れる場合も、再改正規則6条1項1号ヌ(2)が適用されます。(PC145)
  • 個人番号は特定取引を行うに際して提供を受ける必要があります。(PC146)
 
3.本人限定受取郵便を送付する方法の厳格化(再改正規則6条1項1号ル)
 
ル その取扱いにおいて名宛人本人若しくは差出人の指定した名宛人に代わって受け取ることができる者に限り交付する郵便又はこれに準ずるもの(特定事業者に代わって住居を確認し、写真付き本人確認書類の提示を受け、並びに20条1項1号、3号(括弧書を除く。)及び17号に掲げる事項を当該特定事業者に伝達する措置がとられているものに限る。)により、当該顧客等に対して、取引関係文書を送付する方法
 
ア 改正の内容
  • 現行規則では、本人限定受取郵便において、利用される本人確認書類(原本)は種類に限定がありませんが、再改正規則により顔写真付きのものに限定されることになります(再改正規則6条1項1号ル)。
  • 名宛人本人等が本人限定受取郵便にて郵便等を受け取る場合に、写真付き本人確認書類の提示が必要となります。例えば、特定事業者において、写真付き本人確認書類の提示を必要としているサービスを利用することなどが考えられます。(PC148)
  • 再改正規則6条1項1号ルは、特定事業者自身が本人確認書類の提示又は送付を受けるものではない例外的な確認方法であるところ、「二の本人確認書類又は本人確認書類と補完書類の提示を受ける方法」については、2 点の書類相互間の整合性の確認等が必要となり、犯罪収益移転防止法の各種義務が課せられない配達業者による的確な履行が担保できないと考えられることから、認められません。(PC150)
イ 差出人の指定した名宛人に代わって受け取ることができる者
  • 再改正規則6条1項1号ルは、本人限定受取郵便を規定したものであり、「差出人の指定した名宛人に代わって受け取ることができる者」とは、具体的に特定の者を想定しているわけではありません。特定事業者は顧客等に対して取引関係文書を送付しなければならないところ、当該顧客等には「差出人の指定した名宛人に代わって受け取ることができる者」も含まれ、配達業者は当該顧客等からその写真付き本人確認書類の提示を受けることが想定されております。(PC149)
 
4.法人の本人特定事項の確認の不要化(再改正規則12条2項)
 
〇再改正規則12条2項
前項の規定にかかわらず、特定事業者は、法人である顧客等との取引を行うに際しては、当該法人の代表者等から当該代表者等の本人確認書類の写し(当該本人確認書類の写しに当該代表者等の現在の住居の記載がないときは、当該本人確認書類の写し及び当該記載がある補完書類又はその写し)の送付を受けるとともに、当該本人確認書類の写し又は当該補完書類若しくはその写しに記載されている当該代表者等の現在の住居に宛てて、取引関係文書を書留郵便等により、転送不要郵便物等として送付することにより法第四条第一項(同条第五項の規定により読み替えて適用する場合に限る。)又は第四項(同条第一項に係る部分に限る。)の規定による確認を行うことができる。
 
  • 現行規則では、法人顧客の非対面取引については、当該法人顧客及び代表者等(取引担当者)の両方の本人特定事項の確認が必要ですが、再改正規則により、非対面取引において代表者等(取引担当者)の本人特定事項の確認(本人確認書類の送付及び取引関係書類の転送不要郵便等による送付)だけで足りることになります。
  • この改正は、法人の代表者等(取引担当者)と顧客等に当たる法人の両方の本人特定事項の確認が行われることとなり、また、法人に係る情報は一般的に自然人よりも把握しやすいと考えられるなど、顧客等が自然人の場合に比べて不正が行われにくいと考えられることによるものです。(153)
 
5.外為法上の本人確認方法の改正
 平成30年11月30日に公布されたパブリックコメント「外国為替に関する省令の一部を改正する省令」(平成30年総務・財務省令第9号)においても、外国為替及び外国貿易法上の海外送金等に関する本人確認方法について、上記2から4までと同じ改正がなされています。
 

[1]「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の一部を改正する命令案」に関する意見の募集結果について(http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=120170029&Mode=2)
[2] 2016年11月26日より、GMOクリック証券は、GMOグローバルサインの公的個
人認証サービスを利用して、当該本人確認方法を利用している。
[3] 規則13条1項1号の取引時確認の方法は、令7条1項1号ハからヨまで、ソ及びナに掲げる特定取引並びに同項2号(ファイナンスリース契約の締結)及び3号(クレジットカード契約の締結)に定める取引のうち、特定の預貯金口座における口座振替の方法により決済されるものについては、当該口座が開設されている他の特定事業者(預金取扱金融機関)が当該預貯金口座に係る同項1号イに掲げる取引(預貯金の受入れを内容とする契約の締結)を行う際に当該顧客等又はその代表者等について取引時確認を行い、かつ、当該取引時確認に係る確認記録を保存していることを確認する方法(この方法を用いようとする特定事業者と当該他の特定事業者が、あらかじめ、この方法を用いることについて合意をしている場合に限る。)です。
[4] 規則13条1項2号の取引時確認の方法は、令7条1項1号ハからヨまで、ソ及びナに掲げる特定取引並びに同項2号(ファイナンスリース契約の締結)及び3号(クレジットカード契約の締結)のうち、クレジットカード等を使用する方法により決済されるものにあっては、当該クレジットカード等を交付し、又は付与した他の特定事業者(クレジットカード会社)が当該クレジットカード等に係る令7条1項3号に定める取引(クレジットカード契約の締結)を行う際に当該顧客等又はその代表者等について取引時確認を行い、かつ、当該取引時確認に係る確認記録を保存していることを確認する方法(この方法を用いようとする特定事業者と当該他の特定事業者が、あらかじめ、この方法を用いることについて合意をしている場合に限る。)です。
[5]令13条1項各号は、取引時確認済みの確認(法4条3項)に準ずる取引として取引時確認(法4条1項)が不要な取引が定められています。
令13条1項1号においては、「当該特定事業者が他の特定事業者に委託して行う令7条1項第1号に定める特定取引であって、当該他の特定事業者が他の取引の際に既に取引時確認(当該他の特定事業者が当該取引時確認について法6条の規定による確認記録の作成及び保存をしている場合におけるものに限る。)を行っている顧客等との間で行うもの」が定められています。
[6] 公共料金(日本国内において供給される電気、ガス及び水道水その他これらに準ずるものに係る料金をいう。)の領収証書
[7] 社債等の振替を行うための口座の開設を行うことを内容とする契約の締結
[8] 保護預りを行うことを内容とする契約の締結
[9] 預金又は貯金の受入れを内容とする契約の締結
[10] 金融商品取引法第二条第八項第一号から第六号まで若しくは第十号に掲げる行為又は同項第七号から第九号までに掲げる行為により顧客等に有価証券を取得させる行為を行うことを内容とする契約の締結