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2018.03.18
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【オープンAPI】電子決済等代行業者の登録申請書の記載事項・添付書類

執筆者:渡邉雅之(弁護士法人三宅法律事務所:パートナー弁護士)

(ニュースレター)
Miyake Newsletter(金融法務・FinTech研究会No3:【改訂版】電子決済等代行業者へのAPIの開放)
(連載記事)
【オープンAPI】「電子決済等代行業」の「銀行代理業」への該当性についてのガイドライン
【オープンAPI】電子決済等代行業に該当しない行為について
【オープンAPI】電子決済等代行業者の登録申請書の記載事項・添付書類
【オープンAPI】電子決済等代行業者の登録拒否事由・登録審査の留意事項
【オープンAPI】電子決済等代行業者の届出について
【オープンAPI】電子決済等代行業者が遵守する必要がある利用者の保護の義務
【オープンAPI】銀行との契約締結義務・銀行による基準の公表義務
【オープンAPI】施行期日・経過規定
(セミナー)
平成30年4月13日「オープンAPI・電子決済等代行業に関する法制度」(金融財務研究会)


 平成30年3月9日、金融庁は、パブリックコメントとして『「銀行法施行令等の一部を改正する政令等(案)について」を公表しました。同パブリックコメントは、平成29年6月2日に公布された「銀行法等の一部を改正する法律」(平成29年法律第49号)に基づき、銀行等の金融機関が、家計簿アプリ等に代表される口座管理や電子送金サービスをする電子決済代行業者に対して、API(Application Programming Interface)を開放(これを「オープンAPI」といいます。)する場合の基準や電子決済等代行業者の登録要件や行為規制等について定めるにあたっての、政令案・施行規則案・留意事項案などが示されています。オープンAPIに関する制度は、平成30年6月1日に施行する予定です。

今回は、電子決済等代行業者の登録申請書の記載事項・添付書類について説明いたします。

1 電子決済等代行業と電子決済等代行業者としての登録

(1)電子決済等代行業(銀行法2条17項)
 「電子決済等代行業」(銀行法2条17項)には、以下の更新系APIに関するもの(同項1号)と参照系APIに関するもの(同項2号)があります。
ア 更新系APIに関する電子決済等代行業(銀行法2条17項1号)
銀行に預金の口座を開設している預金者の委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けて、電子情報処理組織を使用する方法により、当該口座に係る資金を移動させる為替取引を行うことの当該銀行に対する指図(当該指図の内容のみを含む。)の伝達(当該指図の内容のみの伝達にあつては、内閣府令で定める方法によるものに限る。)を受け、これを当該銀行に対して伝達すること。
 イ 参照系APIに関する電子決済等代行業(銀行法2条17項2号)
銀行に預金又は定期積金等の口座を開設している預金者等の委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けて、電子情報処理組織を使用する方法により、当該銀行から当該口座に係る情報を取得し、これを当該預金者等に提供すること(他の者を介する方法により提供すること及び当該情報を加工した情報を提供することを含む。)。
 (2)電子決済等代行業者(銀行法2条18項)
 「電子決済等代行業者」とは、第52条の61の二の登録を受けて電子決済等代行業を営む者をいいます(銀行法2条18項)。
 (3)電子決済等代行業者としての登録(銀行法52条の61の2)
 電子決済等代行業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、営むことができません(銀行法52条の61の2)。

2 電子決済等代行業者の登録申請書の記載事項と登録申請書の添付書類
※以下において「留意事項」とは、「
電子決済等代行業者の登録申請時の留意事項等」をいう。
(1)
登録申請書の記載事項(銀行法52条の61の3第1項、同法施行規則34条の64の2)
① 商号、名称又は氏名(銀行法52条の61の3第1項1号)
申請者が個人である場合は、当該申請者が商号登記をしているときにはその商号を、屋号を使用しているときにはその屋号を、「商号又は名称」として記載しているかを確認する(留意事項I.1(1))。

② 法人であるときは、その役員(外国法人にあっては、外国の法令上これと同様に取り扱われている者及び日本における代表者を含む。以下この章において同じ。)の氏名(同項2号)

③ 営む営業所又は事務所の名称及び所在地(同項3号)
登録申請書に記載する「営業所又は事務所」とは、電子決済等代行業の全部又は一部を営むために開設する一定の施設を指し、電子決済等代行業に関する営業以外の用に供する施設は除くものとする(留意事項I.1(2))。

④ 電子決済等代行業者の利用者からの苦情又は相談に応ずる営業所又は事務所の所在地及び連絡先(登録申請者が外国法人又は外国に住所を有する個人である場合にあっては、国内に当該営業所又は事務所を有するときに限る。)(同項4号、銀行法施行規則34条の64の2第1項1号)(※)
(※)銀行等が登録申請者である場合にあっては、登録申請書に記載することを要しない(銀行法施行規則34条の64の2第2項)。

⑤ 加入する認定電子決済等代行事業者協会の名称(同項2号)

⑥ 電子決済等代行業の業務の一部の委託をする場合には、当該委託に係る業務の内容並びにその委託先の商号、名称又は氏名及び住所(同項3号)

⑦ 他に業務を営むときは、その業務の種類(同項4号)(※1)(※2)

(※1)更新系APIを営む場合のみ(銀行法施行規則34条の64の2第1項但書)。
(※2)銀行等が登録申請者である場合にあっては、登録申請書に記載することを要しない(銀行法施行規則34条の64の2第2項)。
他に営む業務の種類は、現に営む事業が属する「統計調査に用いる産業分類並びに疾病、傷害及び死因分類を定める政令の規定に基づき、産業に関する分類に名称及び分類表を定める等の件」に定める日本標準産業分類に掲げる中分類(大分類J-金融業,保険業に属する場合にあっては細分類)に則って記載されているかを確認する。電子決済等代行業を行う営業に通常附帯して行われる業務については、他の法令において免許、許可、登録等が必要とされている業務に該当する場合を除いて、原則として、銀行法施行規則第34 条の64 の2第1項第4号に規定する他の業務に該当しないことに留意する。(留意事項I.1(3))
 
(2)登録申請書の添付書類(銀行法52条の61の3第2項、)

①登録拒否事由(銀行法52条の61の5第1項各号。ただし、同項1号ロ(電子決済等代行業を適正かつ確実に遂行する体制の整備が行われていない者)を除く。)のいずれにも該当しないことを誓約する書面(銀行法52条の61の3第2項1号)
※当該申請者の自署・押印あるものを提出させる(留意事項I.2(6))。

② 法人であるときは、定款及び登記事項証明書(これらに準ずるものを含む。)(同項2号)
【留意事項I.2(1)】
① 定款の目的に、電子決済等代行業に係る業務が定められているか。
② 定款には原本証明が付されているか。

③電子決済等代行業の業務の内容及び方法を記載した書類(同項3号、銀行法施行規則34条の64の3第1項)
(i) 電子決済等代行業に係る行為のうち、更新系API又は参照系API(銀行法2条17項各号)のいずれを行うかの別(いずれも行う場合は、その旨)
(ii) 取り扱う電子決済等代行業に係る業務の概要
(iii) 電子決済等代行業の実施体制(銀行法施行規則34条の64の3第1項3号、2項)
イ 電子決済等代行業に関して取得した利用者に関する情報の適正な取扱い及び安全管理のための体制(銀行法施行規則34条の64の3第2項1号)
ロ 電子決済等代行業に係る業務(参照系(銀行法2条17項2号に掲げる行為のみを行おうとする場合)には、電子決済等代行業に関して取得した利用者に関する情報の適正な取扱い及び安全管理に係る業務に限る。)を第三者に委託する場合における当該業務の的確な遂行のための体制(銀行法施行規則34条の64の3第2項2号)
ハ 電子決済等代行業を管理する責任者の氏名及び役職名(銀行法施行規則34条の64の3第2項3号)
「電子決済等代行業の実施体制」(銀行法施行規則第34 条の64 の3第1項第3号)は、銀行法施行規則第34 条の64 の3第2項各号に掲げる体制を含むものであるが、それら実施体制の状況を把握するために必要な場合には、適宜、当該実施体制に関する体制図及び組織図等の提出を求めることとする。(留意事項I.2(2))

④その他内閣府令で定める書類(銀行法52条の61の3第2項4号、銀行法施行規則34条の64の4第1項各号)
(i)
登録申請者が法人である場合には、次に掲げる書類(銀行法施行規則34条の64の4第1項1号)
イ  役員(役員が法人であるときは、その職務を行うべき者を含む。)の履歴書(役員が法人であるときは、当該役員の沿革を記載した書面)
① 「役員の履歴書」の現住所が住民票の抄本記載の住所と一致しない場合には、その理由を確認するとともに、「役員の履歴書」に、両住所が併記されているかを確認する(留意事項I.2(3)①)。
② 「役員の履歴書」に記載されている氏名に用いられている漢字が、住民票の抄本記載の氏名に用いられている漢字に統一されているかを確認する(例えば、住民票の抄本で用いられている漢字が旧漢字の場合は、「役員の履歴書」でも旧漢字を用いることとする。)(留意事項I.2(3)②)。
 
ロ  役員の住民票の抄本(役員が法人であるときは、当該役員の登記事項証明書)又はこれに代わる書面
〇「住民票の抄本」(銀行法施行規則第34 条の64 の4第1号及び第2号)「住民票の抄本」は、次の項目が記載されているものを提出させるものとする(留意事項I.2(4))。
① 住所
② 氏名
③ 生年月日
④ 本籍
〇「これに代わる書面」(銀行法施行規則第34 条の64 の4第1号及び第2号)国内に居住しない外国人が提出した本国の住民票に相当する書面の写し又はこれに準ずる書面は、銀行法施行規則第34 条の64 の4第1号及び第2号の「これに代わる書面」に該当する(留意事項I.2(5))。
 
ハ  役員の婚姻前の氏名を当該役員の氏名に併せて登録申請書に記載した場合において、ロに掲げる書類が当該役員の婚姻前の氏名を証するものでないときは、当該婚姻前の氏名を証する書面(銀行法施行規則34条の64の4第1項3号)
ニ  役員が法人の役員の登録拒否事由(銀行法52条の61の5第1項第2号ロ⑴から⑹まで)のいずれにも該当しない者であることを当該役員が誓約する書面

※当該役員の自署・押印あるものを提出させる(留意事項I.2(6))。
 
ホ  登録の申請の日を含む事業年度の前事業年度に係る貸借対照表又はこれに代わる書面。ただし、登録の申請の日を含む事業年度に設立された法人にあっては、当該法人の設立の時における貸借対照表又はこれに代わる書面
ヘ 登録申請者が会計監査人設置会社であるときは、登録の申請の日を含む事業年度の前事業年度の会社法第三百九十六条第一項に規定する会計監査報告の内容を記載した書面


(ii) 登録申請者が個人である場合には、次に掲げる書類(銀行法施行規則34条の64の4第1項2号)
イ  登録申請者の履歴書
① 「履歴書」の現住所が住民票の抄本記載の住所と一致しない場合には、その理由を確認するとともに、「履歴書」に、両住所が併記されているかを確認する(留意事項I.2(3)①)。
② 「履歴書」に記載されている氏名に用いられている漢字が、住民票の抄本記載の氏名に用いられている漢字に統一されているかを確認する(例えば、住民票の抄本で用いられている漢字が旧漢字の場合は、「履歴書」でも旧漢字を用いることとする。)(留意事項I.2(3)②)。
 
ロ  登録申請者(当該登録申請者が外国に住所を有する個人であるときは、その日本における代理人を含む。ハにおいて同じ。)の住民票の抄本(当該日本における代理人が法人であるときは、当該日本における代理人の登記事項証明書)又はこれに代わる書面
〇「住民票の抄本」(銀行法施行規則第34 条の64 の4第1号及び第2号)「住民票の抄本」は、次の項目が記載されているものを提出させるものとする(留意事項I.2(4))。
① 住所
② 氏名
③ 生年月日
④ 本籍
〇「これに代わる書面」(銀行法施行規則第34 条の64 の4第1号及び第2号)国内に居住しない外国人が提出した本国の住民票に相当する書面の写し又はこれに準ずる書面は、銀行法施行規則第34 条の64 の4第1号及び第2号の「これに代わる書面」に該当する(留意事項I.2(5))。
 
ハ  登録申請者の婚姻前の氏名を当該登録申請者の氏名に併せて登録申請書に記載した場合において、ロに掲げる書類が当該登録申請者の婚姻前の氏名を証するものでないときは、当該婚姻前の氏名を証する書面
ニ  登録の申請の日を含む事業年度の前事業年度に係る別紙様式第二十号により作成した財産に関する調書



当事務所では、銀行等の金融機関・電子決済等代行業者に対してオープンAPIに関する業務を提供しております。ご提供できる業務は下記の業務です。
‐ 電子決済等代行業に関する助言・コンサルティング
‐ 電子決済等代行業に関するシステムの要件定義に関するアドバイス
‐ 電子決済等代行業者との連携・協働に係る方針の作成の支援
‐ 電子決済等代行業に係る契約書の作成支援
‐ 電子決済等代行業の業務方法書・社内規程の雛型の作成支援
‐ 銀行による電子決済等代行業者に求める事項の基準の作成支援
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