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2018.03.13
NEWS

【オープンAPI】電子決済等代行業に該当しない行為について

執筆者:渡邉雅之(弁護士法人三宅法律事務所:パートナー弁護士)

(ニュースレター)
Miyake Newsletter(金融法務・FinTech研究会No3:【改訂版】電子決済等代行業者へのAPIの開放)
(連載記事)
【オープンAPI】「電子決済等代行業」の「銀行代理業」への該当性についてのガイドライン
【オープンAPI】電子決済等代行業に該当しない行為について
【オープンAPI】電子決済等代行業者の登録申請書の記載事項・添付書類
【オープンAPI】電子決済等代行業者の登録拒否事由・登録審査の留意事項
【オープンAPI】電子決済等代行業者の届出について
【オープンAPI】電子決済等代行業者が遵守する必要がある利用者の保護の義務
【オープンAPI】銀行との契約締結義務・銀行による基準の公表義務
【オープンAPI】施行期日・経過規定
(セミナー)
平成30年4月13日「オープンAPI・電子決済等代行業に関する法制度」(金融財務研究会)

 平成30年3月9日、金融庁は、パブリックコメントとして『「銀行法施行令等の一部を改正する政令等(案)について」を公表しました(回答期限は、平成30年4月9日(月)17時00分(必着))。同パブリックコメントは、平成29年6月2日に公布された「銀行法等の一部を改正する法律」(平成29年法律第49号)に基づき、銀行等の金融機関が、家計簿アプリ等に代表される口座管理や電子送金サービスをする電子決済代行業者に対して、API(Application Programming Interface)を開放(これを「オープンAPI」といいます。)する場合の基準や電子決済等代行業者の登録要件や行為規制等について定めるにあたっての、政令案・施行規則案・留意事項案などが示されています。オープンAPIに関する制度は、平成30年6月1日に施行する予定です。

前回も説明しましたとおり、改正銀行法2条17項において、「電子決済等代行業」は以下のとおり、定義されています。
17 この法律において「電子決済等代行業」とは、次に掲げる行為(第一号に規定する預金者による特定の者に対する定期的な支払を目的として行う同号に掲げる行為その他の利用者の保護に欠けるおそれが少ないと認められるものとして内閣府令で定める行為を除く。)のいずれかを行う営業をいう。
一 銀行に預金の口座を開設している預金者の委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けて、電子情報処理組織を使用する方法により、当該口座に係る資金を移動させる為替取引を行うことの当該銀行に対する指図(当該指図の内容のみを含む。)の伝達(当該指図の内容のみの伝達にあつては、内閣府令で定める方法によるものに限る。)を受け、これを当該銀行に対して伝達すること。
二 銀行に預金又は定期積金等の口座を開設している預金者等の委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けて、電子情報処理組織を使用する方法により、当該銀行から当該口座に係る情報を取得し、これを当該預金者等に提供すること(他の者を介する方法により提供すること及び当該情報を加工した情報を提供することを含む。)。
 改正銀行法2条17項1号は、顧客のために送金の指示の伝達まで行う業務(1号業務(更新系API業務))、同項2号は、顧客に対して口座情報を取得し提供を行う業務(2号業務(参照系API))について定めています。

 2号業務(参照系API業務)は、①銀行に預金又は定期積金等の口座を開設している預金者等からの委託(2以上の段階にわたる委託を含む)を受けていること、及び、②電子情報処理組織を使用する方法により、③当該銀行から当該口座に係る情報を取得し、これを当該預金者等に提供すること、という2つの要件を充たす営業をいいます。

 1号業務(更新系API業務)は、2号業務(参照系API業務)の要件のうち①及び②を充たすものであって、(a)預金者等から当該口座に係る資金を移動させる為替取引を行うことの当該銀行に対する指図の伝達を受け、これの全部を当該銀行に対して伝達すること、又は、(b) (銀行からの指図の全部を伝達するのではなく、指図の内容のみを伝達する場合には)、預金者の使用に係る電子機器の映像面(例えばスマートフォン、パソコンの画面)に当該銀行に対する指図を行うための画像を表示させることを目的として、当該為替取引の相手方及び金額に係る情報を当該銀行に対して伝達すること(いわゆる画面遷移型のサービスを電子決済等代行業の対象とするもの)、という要件を充たす営業をいいます(銀行法2条17項1号、同法施行規則1条の3の4)。

 1号業務(更新系API業務)の行為に該当した場合であっても、以下の4つの類型の業務は適用除外され同業務の登録は不要です(銀行法施行規則1条の3の3)。
 ただし、スクレイピングの方法(顧客から預かったパスワード等を使って、金融機関との間で契約締結等の明確な法的関係を構築することなく、銀行システムにアクセスする方法)による場合は以下の4つの類型のいずれかに該当しても1号業務(更新系API業務)として登録することを要します。
 また、これらの適用除外業務に該当した場合であっても、2号業務(参照系API業務)の要件を充たす場合(上記①乃至③の要件)には、1号業務(更新系API業務)に該当しなくても、2号業務(参照系API業務)の登録は必要となることに留意が必要です。

(i) 預金者による特定の者に対する定期的な支払を目的として行う行為(同条1号)
(例)電気料金等の公共料金や社会保険料の支払、月締めの販売代金回収等。クレジットカードの利用代金の銀行口座からの引き落としのように、支払不要な期に支払いが行われていない場合でも、あらかじめ支払のサイクル(定期性)が決まっていれば、定期性の要件を充たして本号を充たすものと考えられる。

(ii) 預金者による当該預金者に対する送金を目的として行う行為(同条2号)
(例)同一法人の支店口座から本店口座の送金や同一銀行に開設された同一人名義の他の預金口座への振替

(iii) 預金者による国、地方公共団体、独立行政法人、国立大学法人、大学共同利用機関法人又は地方独立行政法人に対する支払を目的として行う行為(同条3号)
(例)ふるさと納税、公営競技の賭金、租税・賦課金・納付金の支払

(iv) 預金者による商品の売買契約又は役務の提供に係る契約の相手方に対するこれらの契約に係る債務の履行のみを目的として、当該相手方又は当該契約の締結の媒介(当該履行に係る為替取引を行うことの指図(当該指図の内容のみを含む。)の伝達により行う媒介を除く。)を業とする者(以下「相手方等」という。)が当該契約に基づく取引に付随して行う行為であって、当該行為に先立ち、銀行と当該相手方等との間で当該履行に用いる方法に係る契約を締結しているもの(同条4号)
商品の売買契約や役務提供契約上の自己の債権の回収するために決済指図の伝達を行う場合の例)自己の商品やサービスを販売し、その対価を回収するために決済指図の伝達を行う場合
商品の売買契約や役務提供契約の締結の媒介を行う者が決済指図を伝達する場合の例)自己が契約の当事者とならないECモール運営者が、プラットフォーム上で締結された売買契約などについて、その取引に付随して決済指図の伝達を行う場合(例えば、楽天市場を運営する楽天株式会社が楽天銀行株式会社に対して決済指図の伝達を行う場合(楽天バンク決済))


当事務所では、銀行等の金融機関・電子決済等代行業者に対してオープンAPIに関する業務を提供しております。ご提供できる業務は下記の業務です。
‐ 電子決済等代行業に関する助言・コンサルティング
‐ 電子決済等代行業に関するシステムの要件定義に関するアドバイス
‐ 電子決済等代行業者との連携・協働に係る方針の作成の支援
‐ 電子決済等代行業に係る契約書の作成支援
‐ 電子決済等代行業の業務方法書・社内規程の雛型の作成支援
‐ 銀行による電子決済等代行業者に求める事項の基準の作成支援
ご連絡は下記にお願いいたします。
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