トピックス

2016.05.30
NEWS

マイナンバー情報:扶養控除等申告書へのマイナンバー(個人番号)の記載について

(執筆者 渡邉雅之

5月17日に国税庁のFAQにおいて、扶養控除等申告書への個人番号の記載についてのFAQが更新されましたので、その情報をお伝えします。

1 扶養控除等申告書への個人番号の記載
平成28年1月以後に提出する扶養控除等申告書には、従業員本人、控除対象配偶者及び控除対象扶養親族等の個人番号を記載する必要がありますので、その記載内容が前年以前と異動がない場合であっても、原則として、その記載を省略することはできません。
平成27年中にマイナンバー(個人番号)の記載のない扶養控除等申告書を受領していた場合、平成28年以降、従業員に従業員等のマイナンバー(個人番号)を補完記入してもらう必要はありません。
なお、平成28年分の給与所得の源泉徴収票(税務署提出用)を作成するために、従業員からマイナンバー(個人番号)を取得する手段として、平成27年中に提出された扶養控除等申告書へマイナンバー(個人番号)の補完記入を求めても差し支えありません。また、平成28年分の源泉徴収票(税務署提出用)の作成に当たっては、平成28年末に提出を受ける平成29年分の扶養控除等申告書に記載されたマイナンバー(個人番号)を使用することとしても差し支えありません(ただし、平成29年分から扶養親族でなくなった者がいる場合には、平成29年分の扶養控除等申告書には当該扶養親族のマイナンバー(個人番号)が記載されていませんので、別途取得が必要です。)。
2 個人番号の記載の省略の合意
もっとも、従業員等の個人番号が記載された扶養控除等申告書を毎年受け入れて保存することは、給与支払者である会社にとって、安全管理措置の観点から負担となり得るものです。
そこで、国税庁は、FAQにおいて、給与支払者と従業員との間での合意に基づき、従業員が扶養控除等申告書の余白に「個人番号については給与支払者に提供済みの個人番号と相違ない」旨を記載した上で、給与支払者において、既に提供を受けている従業員等の個人番号を確認し、確認した旨を扶養控除等申告書に表示するのであれば、扶養控除等申告書の提出時に従業員等の個人番号の記載をしなくてもよいという取扱いを認めました。
この点、従業員等が扶養控除等申告書の余白に手書きで「個人番号については給与支払者に提供済みの個人番号と相違ない」旨を記載することは現実的ではありません。そこで、「個人番号については給与支払者に提供済みの個人番号と相違ない」旨をプレ印字することも考えられます。従業員の個人番号をプレ印字することは禁じられていますが、かかる記載をプレ印字することは許されると考えられます。
プレ印字がなされていない扶養控除等申告書の用紙については、「個人番号については給与支払者に提供済みの個人番号と相違ない」旨の記載のシールで貼ることが考えられます。また、扶養控除等申告書には様式が決められていないので、扶養控除等申告書の別紙を作成し、そこに、「個人番号については給与支払者に提供済みの個人番号と相違ありません。」とプレ印字しておき、従業員に署名・押印をさせることも考えられます。
また、法令で定められた記載事項(氏名、住所、マイナンバー(個人番号)等)が記載されていれば記載内容を複数枚に分割して提出することも可能です。ただし、それぞれの用紙を紐付けるための措置を講ずるなど一体の申告書として管理できるよう手当が必要です。
3 帳簿への記載による省略
 さらに、平成28年3月31日に公布された「所得税法等の一部を改正する法律」(平成28年法律第15号)により、税務関係書類へのマイナンバー(個人番号)記載対象書類の見直しが行われました。給与等、公的年金等又は退職手当等の支払者に対して次に掲げる申告書の提出をする場合において、その支払者が、これらの申告書に記載すべき提出する方ご本人、控除対象配偶者又は扶養親族等のマイナンバーなどの事項を記載した帳簿(下記の申告書の提出前に、これらの申告書の提出を受けて作成された帳簿に限ります。)を備えているときは、これらの申告書を提出する方は、その申告書に、その帳簿に記載された方に係るマイナンバーの記載を要しないものとされました。この改正は、平成29年分以後の所得税について適用されます。
・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
・従たる給与についての扶養控除等(異動)申告書
・退職所得の受給に関する申告書
・公的年金等の受給者の扶養親族等申告書
 
扶養控除等申告書へのマイナンバー(個人番号)の記載を不要とするために備える帳簿には、次の事項を記載する必要があります。
① 扶養控除等申告書に記載されるべき提出者本人、控除対象配偶者、控除対象扶養親族等の氏名、住所及びマイナンバー(個人番号)
② 帳簿の作成に当たり提出を受けた申告書の名称
③ ②の申告書の提出年月
扶養控除等申告書へのマイナンバー(個人番号)の記載を不要とするために備える帳簿については、電磁的記録による帳簿も認められます。
この取扱いは、給与支払者が扶養控除等申告書などの一定の税務関係書類の提出を受けて作成された帳簿を備えていることが要件となっています。したがって、帳簿作成に当たっては、最初にマイナンバー(個人番号)の記載された扶養控除等申告書などの一定の税務関係書類が提出されていることが前提とされています。
なお、上記のとおり、扶養控除等申告書に直接マイナンバー(個人番号)を記載せずに、「記載すべきマイナンバー(個人番号)は給与支払者に提供済のマイナンバー(個人番号)と相違ない」旨を記載して提出することができるので、この方法により提出を受けた扶養控除等申告書及びその申告書と紐付けられるよう管理されたマイナンバー(個人番号)に基づき帳簿を作成することは可能です。

*********************************
マイナンバーに関するお問い合わせは下記にお願いします。
弁護士法人三宅法律事務所
渡邉 雅之
tel: 03-5288-1021
email: m-watanabe@miyake.gr.jp