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2015.11.27
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マイナンバー情報:雇用関係にある者についての身元確認は不要か?

(執筆者:渡邉雅之)
ご存知の方も多いと思われますが、11月10日に厚生労働省から、(雇用保険分野における)『事業主の本人確認について』の資料が公表されています。
今後、厚生労働省から告示として発出されることになりますが、国税分野との同じ本人確認措置が定められるとのことです。国税庁告示に従って、プレ印字の書類やオンラインによる本人確認をしようとしていた事業者にとっては朗報でしょう。

よく、『既存の従業員については、番号確認だけでよく身元確認を省略してよいといか?』というご質問を受けます。

この点、国税庁の本人確認の告示(「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律施行規則に基づく国税関係手続に係る個人番号利用事務実施者が適当と認める書類等を定める件」(平成27年国税庁告示第2号))において、身元確認が省略できる「個人識別事項により識別される特定の個人と同一の者であることが明らかであると個人番号利用事務実施者が認める場合」(番号法施行規則3条5項)の一つの場合として、「雇用契約成立時等に本人であることの確認を行っている雇用関係その他これに準ずる関係にある者であって、知覚すること等により、個人番号の提供を行う者が通知カード若しくは令第十二条第一項第一号に掲げる書類に記載されている個人識別事項又は規則第三条第一項各号に掲げる措置により確認される個人識別事項により識別される特定の個人と同一の者であること(以下「個人番号の提供を行う者が本人であること」という。)が明らかな場合」が定められています。

この規定の解釈として、平成27年1月30日に公表されたパブリックコメント回答(「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律施行規則に基づく国税関係手続に係る個人番号利用事務実施者が適当と認める書類等を定める件」に対する意見募集の結果についてにおいては、以下の意見と国税庁の考え方が示されています。

(意見17番)
『「本人であることの確認」とあるが、具体的にどの程度の確認をしていればこの規定を適用できるのかが 明確な文言にすべきである。写真付き公的身分証明書を採用時に提示していれば同様のことを再度行う 必要はないという趣旨なのか、既に一定期間の雇用関係が継続していることが身元確認の代替になると いう趣旨なのか、これでは判然としない。』
(国税庁の考え方)
『「雇用契約成立時等に本人であることの確認を行っている」必 要がありますので、頂いた御意見のうち、「写真付き公的身分 証明書を採用時に提示していれば同様のことを再度行う必要 はないという趣旨」となります。 なお、「本人であることの確認」には、番号法や税法で定める もの、当該告示で定めるものと同程度の本人確認書類による 確認を行っていることが要件となります。』

(意見47番)
『「雇用契約成立時等に本人であることの確認を行っている雇用関係」とあるが、企業等が行う雇用契約 成立時等の本人であることの確認の方法については、特段の制約はないという理解で良いか、確認させ ていただきたい。』
(国税庁の考え方)
『番号法や税法で定めるもの、当該告示で定めるものと同程度 の本人確認書類による確認を行う必要があります。 』


以上の回答を前提とすると、国税庁としては、番号法16条で定める身元確認の方法と同等の確認を求めていると考えられます。すなわち、入社時等に運転免許証等の顔写真付き身分証明書で確認したことを前提としていると考えられます。

多くの会社(警備会社や運送会社では入社時に運転免許証の提示が求められます。)では、(番号法導入前は、)入社時には、住民票記載事項証明書の提出を求めることはあっても、運転免許証等の顔写真付き身分証明書を求めることはないと思います。したがって、このような会社においては、番号法の施行に伴う本人確認において、既存の従業員から、改めて、運転免許証等の顔写真付き身分証明書による確認が必要であると考えられます。

この考え方に対して、入社時に、住民票記載事項証明書の提出など、何らかの確認をしておけば、身元確認は省略できるという見解の弁護士やコンサルタントも多いようですが私は危なっかしい解釈ではないかと思っております。顔写真がない場合には多少なりとも成りすましがあり得ます。少なくとも、上場会社においては、改めて、運転免許証等の提示を受けて身元確認をしておいた方がよいと思われます。

今回公表された厚生労働省の資料では、上記の身元確認の省略ができる場合に相当するケースとして、『個人番号の提供を行う者と雇用関係にあること等の事情を勘案し、人 違いでないことが明らかと公共職業安定所長が認めるとき(※)は、身元 (実在)確認のための書類に提出は不要 (※)公共職業安定所長が適当と認めるときについては、国税庁が定める告示(国税庁告示)と同様のも のとすることを予定している。 (例)雇入れ時などに運転免許証等により本人であることの確認をしている場合であって、本人から直接 対面で個人番号の提出を受ける場合」』としています。

これは、国税庁告示の内容と同等のものであり、やはり、雇用時に運転免許証等の顔写真付きの身分証明書で確認した場合を基本的には前提としているものと考えられます。

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