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2015.06.19
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マイナンバー情報:民間事業者はマイナンバー制度対応の社内体制をいつまでに整備すべきか?

下記および別添ファイルをご覧ください。

1 拙速にマイナンバー制度対応をすべきではない

 民間事業者は、マイナンバー制度対応の社内体制を平成27年(2015年)10月頃までに整備すべきとよく言われます。筆者も従前はそう提唱してきました。
これは、平成28年(2016年)1月の個人番号の利用の開始を待たずに、平成27年10月5日以降の通知カードによる個人番号の通知後に、従業員等から個人番号の事前収集が可能であるためです。
しかしながら、多くの民間事業者は本年10月頃までに、マイナンバー制度対応の社内体制を整備することは困難である可能性があります。民間事業者としては何から手を付ければよいか各種セミナーに参加して情報収集中のところも多いです。
そもそも、国税分野のマイナンバーの関連省令や告示は出揃っていますが、社会保障分野については、まだ、関連省令がまだ出ておりませんし、個人番号の本人確認のための告示も出ておりません。多くの民間事業者は、国税庁告示の本人確認方法が社会保障分野においても同一の方法が認められることを前提に進めていますが、本当に認められるか否かは保証されるところではありません。
むしろ、平成27年12月末までに腰を据えてじっくりとマイナンバー制度対応を進めていく方が安全です。拙速な対応は禁物です。
そもそも、事前収集が認められるのは、民間事業者において、「安全管理措置」が整備され、本人確認措置と同等の措置をとることが前提です[1]。もし、社内体制が整備されていないのにもかかわらず、平成27年中に事前収集をすると、安全管理措置義務違反にもなりかねません。
 
2 個人番号利用事務実施者に個人番号を提出する時期
 上記1のとおり、拙速は禁物といっても、平成28年分の扶養控除等申告書を平成28年の最初の給与支払日までに提出する際に、従業員や扶養家族の個人番号を記載する必要があり、それまでに取得しなければならないではないかと思われるかもしれません。
 たしかに、平成28年1月以降に提出する扶養控除等申告書には個人番号を記載する必要があります。しかしながら、平成28年分の扶養控除等申告書を平成27年中に提出する場合には個人番号の記載を要しない方向です。逆に言えば、マイナンバー社内体制が整っておらず、平成27年中に事前収集ができない民間事業者は、平成28年分の扶養控除等申告書を平成27年中に提出することが必須であり、平成28年1月に入ってから提出することは避けなければなりません。そうすれば、平成29年分の扶養控除等申告書を提出するまで個人番号の取得は必要ないことになります。
 他方、給与所得の源泉徴収票は、平成28年1月1日以降の給与支払に関する源泉徴収票から対象となります。源泉徴収票の税務署への提出は、平成28年分については平成29年1月末までに提出すればよいことになるので、平成29年1月末までの提出までに事業主において個人番号が取得さればよいのです。
ただし、退職する従業員については、退職所得の源泉徴収票を退職後1ヶ月以内に税務署に提出する必要があるので、平成28年中に退職した場合にはその際に個人番号を収集する必要があります。
新入社員や中途採用社員、アルバイト・パートなどで新たに雇用された者などについても、入社時に、包括的な利用目的で個人番号を収集すべきでしょう。
すなわち、入社・退職をする従業員から優先的に個人番号を収集し、既存の従業員については、平成28年のほぼ1年間をかけて、順次個人番号を収集していくという対応も許されることになります

 
3 対応時期について3つの考えられるスケジュール
(1)ベストエフォートの対応スケジュール
Ø  平成27年10月5日までに社内体制を整備する。その後の制度変更は随時対応。
Ø  平成27年10月5日以降(実際には11月~12月に通知カードが届くことになると思われる。)に既存の従業員に通知カードが届いた後に順次個人番号の提供の要求をする。
Ø  平成28年3月頃までには既存の従業員からの提供の要求を終了する。
Ø  平成28年4月頃以降は、個人番号提出未了の従業員から個人番号の提供を再度督促する。
Ø  入社従業員については、入社時点で個人番号を収集。退社従業員でまだ個人番号を収集していない者については、退社時点で収集。
(2)保守的な対応スケジュール
Ø  平成27年12月末までに社内体制を整備する。
Ø  平成28年6月頃までには既存の従業員からの提供の要求を終了する。
Ø  平成28年7月頃以降は、個人番号提出未了の従業員から個人番号の提供を再度督促する。
Ø  入社従業員については、入社時点で個人番号を収集。退社従業員でまだ個人番号を収集していない者については、退社時点で収集。
(3)何とかなるかもしれないスケジュール
Ø  平成28年4月~5月頃までに社内体制を整備する。
Ø  それまでに入社・退社する従業員については、個別対応で収集する[2]
Ø  平成28年6月頃以降に、年末までにかけて既存の従業員から個人番号を収集する。
 
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弊事務所では、平成27年(2015年)から利用が開始するマイナンバー制度に対応する体制構築支援サービスを提供しております。
具体的には下記のサービスを提供しております。
〇マイナンバー制度に関する各種質問への対応
〇マイナンバー制度に関するコンサルティング
〇社内のマイナンバー対応に関する会議への出席・助言
〇マイナンバー制度に関する規程類の作成の支援(別添をご参照ください。)
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上記の個別のサービスも提供しておりますのでご相談ください。
詳しくは下記にご連絡ください。
弁護士法人三宅法律事務所
弁護士渡邉 雅之
(東京事務所)〒100-0006
東京都千代田区有楽町1丁目7番1号
有楽町電気ビルヂング北館9階
TEL : 03-5288-1021(代表)
Email:m-watanabe@miyake.gr.jp

[1]内閣官房「事業者による個人番号の事前収集について」では、「個人番号関係事務で利用するため、あらかじめ本人から個人番号を収集する場合には、第12条に基づく安全管理措置として、番号法第16条による本人確認措置と同様の措置を講ずる必要があります。」とされています。
[2]安全管理措置が整備されていない段階での収集については、安全管理措置違反になり得るかもしれないことに留意必要。